山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

山仕事の終わり

ここのところ暖かくて、12月だというのをすっかり忘れてしまいそうです。

でも、天気予報は来週から雪マークがついているので、油断は大敵です。

今日の午前中に山から薪用の半割を下ろしてきたのを最後に、今季の山仕事は終わりました。

こちら↓がシイタケの原木の全てです。

う~ん、太いの細いのまちまちですが、一般的な太さの榾木に直すと500本くらいとなるでしょうか。

まあ、原木シイタケ栽培一本で生活していらっしゃる農家さんに比べたら10分の1くらいの数ですね。

今年はクヌギが多いので、発生はいいのではないでしょうか。

山に生えているクヌギ・コナラは径が大きくなっているので、シイタケ栽培には使いづらそうなところは薪にします。

山で長さを揃えて、半割にまでします。

半割にするとき、そのままでは斧で割れないのでチェーンソーで割目を入れるためごみばかりになるからです。

そして、それを小さな運搬車で何回も運びます。

そして、こちら↑が下ろしてきたその全て。ばら積みで量が増えているけど、正味6立米くらいなもんかな。

11月までに市場で買った丸太も薪にしましたが、そちらは5立米くらいでした。

計算すると、薪づくりで生活していくためには200立米くらい仕立てる必要があるようなので、まあ、私のやっていることはシイタケにしろ、薪にしろ遊びの域を出ていませんね…。

山ではいろいろなものが見つかって楽しいですよ。

去年、伐り出した原木の端を切って林道の脇に捨てていたものです。

なめこが生えてきています。かわいい。

菌の世界もいろいろと騒がしいみたいで、同じような朽木や倒れ木でも違うキノコが生えていたりします。

なめこ「地面に転がっているし日光もあまり当たらないし、湿っていてこんなところが好き。なめなめ」

ダイダイタケ「なめこさんよりかは乾燥するところがいいかな。生木に近い方がいい」

シイタケ「もっと乾燥して立てかけられたような木がいいなぁ。日が当たりすぎるのは嫌だけど」

カイガラタケ「もっともっと日の当たるところがいい」

カワラタケ「日はあまり当たらなくていいから、乾燥と湿り気が交互にくるようなところがいい」

マイタケ「みんな嫌い。新鮮な切り株を独り占めしたい」

マツタケ「みんな死んだ木がいいなんてはしたないわねぇ。マツの近くのそれほど厚くない土壌がいいわね」

と、シイタケ周辺の菌類を見ただけでも住環境の希望はいろいろです。

そんなことを考えながら森を歩くのは楽しいですよ。『もや〇もん』のようで(読んだことないけど)。

発生舎の写真をしばらくアップしていませんでした。

今はゆっくりと(ただし、この数日一気に生長した)大きくなっています。

今年はこの茶色の印を入れた榾木をクリスマス・正月を狙って発生させたのです。

ただし、うちの発生舎は加温設備がないので、気ままの天候任せです。

本来ならば、出荷の3週間くらい前に浸水させて室温管理で合わせるのですけどね。

大きくなれなれ。大きい方が商品価値が高いのです。