山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

恐れていたほど悪くはない

当地の名産、黒大豆の枝豆が出回り始めました。

うちは栽培はしていないのですが、この時期になるとその枝豆を求めて観光客も大勢訪れます。

しかし、今年の8・9月はこれまでにない暑さと少雨でした。

そのため、道の駅や幹線道路で直売する多くの生産者さんもだいぶ苦戦されたようです。

そして、例年よりも10日ほど生長も遅いようで、最盛期まであともう1週間ほど要しそうです。

黒大豆に限らず、マメ科、特にダイズ(エダマメ)は開花の時期に多くの肥料と水分を要求します。

今年はその大切な時期に全くといいていいほど雨が降らず、かつ高温障害も重なりました。

莢が着かない、もしくは莢の実入りが悪いのは仕方がないのです、天気・環境次第ですから。

同じく、私のシイタケ栽培も9月は全く発生が振るいませんでした。

しかし、10月になって平年並み、もしくはそれよりもやや低いくらいの気温となり、発生が活発になってきました↓

これは22白の印の入った榾木です、つまりは去年仕立てたもの。

去年、新榾の時は秋の発生が芳しくありませんでした。

思えば、去年も5月・6月に高温・少雨があり(梅雨時の気候がシイタケ菌に限らず多くの菌類の生長が最大化される)、榾中に菌が伸長できなかったものと思われます。

それが今年の夏と合わせて、2年がかりでようやく「一般的な」発生へと繋がりました。

まだ、気温もそれなりに高いのでシイタケの生長が早く、朝夕の2回収穫をしなければなりません。

正直、体力的にもきついのですが、順調なシイタケの発生には癒されます↓

こんな感じでしっかりと出てくれれば憂いはないのです。

榾と榾との間が狭いとぶつかります↓

このような物理的制約を受けると形が悪くなってしまうので、見つけたら榾木を少し動かして子実の肥大に影響がないようにしてあげます。

ちょっとしたことですが、商品価値向上のための必要なお世話なのです。

発生舎の中はそんな感じでまあまあなところですが、9月にうまく発生できなかった高温品種の榾木はもう一度浸水をし直して、発生できるか試してみなければいけません。

そのため、発生舎の外ではだいぶ榾木がだぶついています。

勝手なお願いだけれど、今時分のようなシイタケに都合の良い気候がずっと続いてくれたら願ったり叶ったりです。

あまり寒くなると今度は発生・生長が遅くなってしまって、発生舎の中も榾木が滞留してしまいます。