山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

雨が降るのが遅すぎた

今日、待ちに待ったまとまった雨が降りました。今日だけで50㎜くらい降ったのではないでしょうか。

このようなしっかりとした降水は梅雨明け以来初めてです。

もう、今年の夏は高温と少雨がひどすぎた…。

もちろん、他の人の畑から青ネギを盗むのは犯罪ですが、京都南部もここよりもいくらかましなだけで、ネギなんて作れる気候ではなかったはずです。

補足をすると、青ネギ(九条ネギ)は近年、地上部だけを切って出荷し、カット工場に持って行く農家さんが増えています。

生長しては切っての繰り返しで、春から秋まで同じ株で数回の収穫をするのです。

このような栽培は久御山巨椋池干拓地で盛んです。

ただ、ネギは涼しい気候(クーラーなしの半袖で過ごせるくらい)を好むため、とても暑くなると新しい葉が伸びません。

そして比較的乾燥を好むと言っても、こんなにも雨が降らないとさらに伸びません。

ネギの窃盗を報道するニュース番組で圃場が映ったのですが、なんと灌水設備まで用意している農家さんもいるではないですか!?

先述の通り比較的乾燥を好むので、本来ならば白マルチをすればそれで足りるはずなのです。

つまり、ネギにもかかわらず、水遣りをしなければ出荷ができないということです。

それだけ栽培環境が厳しかったということでしょう。

計画に対して極度に不振であれば、資金的余裕(←経営としてというよりも、もはや生活費)がなくなりますし、場合によっては「契約」で作っていたとしたらもう立ち行かなくなりますよね…。

もちろん、このようなことを書いたのは犯罪を容認するという趣旨ではなくて、農業という産業に常に付いて回る基本的な不確実性、つまり環境依存という要素をどのようにヘッジするかという問題からです。

特にこれまでの日本において、農業の担い手は個人(家族)を中心とした零細事業者なわけで、そのような個々の事業主体が不確実性を吸収してきたという経緯があります。

もし仮に、地球温暖化などの影響でいわゆる「環境という資本」が変化するならば、そのような不確実性の押し付け先を再考するべでしょうし、少なくとも構造的理解は社会認識として必要でしょう。

そして、このような不確実性の吸収については、近現代に限らず、農政及び農業史・農業経済学の主題の一つでもありますね。

・・・まあ、うちは趣味みたいな規模なので、そのようなレベルではないのですが・・・。まあまあ、相互理解は必要ですよね。

そんなわけで、うちの畑のネギも惨憺たる状況↓

何度もアップしているので見飽きたかもしれませんが3割くらいが消えてしまい、生き残った者も今日までに習字用の小筆くらいの太さまで後退しました。

6月の初めの頃の太さに戻っているよ…。

この2か月、ほとんど干しネギだったものね。いわゆる竹の子生活ってやつですわ。

外側の葉鞘を犠牲にして内側のコア、じゃなかった生長点だけを生かしてきていました。

・・・これから太くなってくれるかしら?

それにしても夏野菜はひどかったなあ。

結局、カボチャはこの前、収穫できただけで、8月2日定植の株に至ってはすべて「ゼロ回答」。収量ナッシング。収量、終了。

長ナスもナスが長くならないばかりか、本格的な収穫がないまま諦めて試合終了間近。

今日くらいの雨が9月の上旬に降ってくれたらよかったのに。

個体がただひたすらに猛暑と乾燥に耐えただけで、予定収量の4割くらいしか採れませんでした。

ツルムラサキもこれまで5割くらいの収量でしたが、これからの1か月くらいで少しは取り戻してくれるかな。

・・・どうでしょうか? それとも、もう遅いかなあ。

ところで、雨が降っては困るものもありました。

つい先日播種したばかりのソラマメ。大雨に打たれて発芽する前に腐食してしまったらたいへんです。

というか、カボチャの時もそうでしたが、なぜかおっさんが種まきをすると大雨が降るのです。

・・・もしかして~、もしかしてだけどぉ~、おっさんの種まきが有効な雨乞いにでもなっいるんじゃないのぉ~

確かに、トロ舟で培土と水を攪拌する時は鍬をひとところで振るっていますから、一心不乱に願うさまにも似ています。

また、しゃがんでカボチャやソラマメの大きな種をポットに埋める様は蹲踞して大地に感謝をささげるさまに似ています。

知らず知らずのうちに正しく神様に三跪九叩頭して、卑弥呼・壱与以後途絶えていた正当な雨乞いの儀式をこのおっさんがやってしまったのかな?

 

<農薬使用履歴>

・長ナス(圃場前作23カボチャ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

7/3    スミチオン     1000倍    散布     ( 5 )

7/21    スミチオン     1000倍    散布     ( 5 )

8/21    スミチオン     1000倍    散布     ( 5 )

9/4     トレボン    1000倍     散布      ( 3 )

9/16    スミチオン     1000倍    散布     ( 5 )

10/2     トレボン    1000倍     散布      ( 3 )

 

・カボチャ①(圃場前作23カボチャ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

6/9    野菜ひろば      -     株元処理    ( 3 )

7/3    スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

7/18    スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

 

・カボチャ②(圃場前作24ソラマメ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

7/18    スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

7/20    野菜ひろば      -     株元処理    ( 3 )

8/1     スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

 

・カボチャ③(圃場前作24エダマメ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

7/21    スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

7/24    野菜ひろば      -     株元処理    ( 3 )

8/1    スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

 

・カボチャ④(圃場前作24トウモロコシ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

8/1     スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

8/1     野菜ひろば      -     株元処理    ( 3 )

8/18     スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

 

・カボチャ⑤(圃場前作24トウモロコシ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

8/9     野菜ひろば      -     株元処理    ( 3 )

8/18     スミチオン    1000倍     散布      ( 3 )

 

ツルムラサキ(圃場前作24ソラマメ)

 日にち   農薬名      希釈倍率   使用方法  (回数制限) 

7/21    ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )

7/31    ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )

9/4     ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )

9/8     ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )

9/16     ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )

9/26     ゼンターリ     1000倍    散布     ( - )