山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

桐の木

12月になってようやく山々が赤く色づきました。

今日は天気もまあまあ良かったので、市までドライブ。

相変わらず広葉樹が少なくて、ウィンドーショッピングもできません・・・・・・が、今日は桐が出ていたので、思わず参戦してしまいました。

・・・参戦ってことは競ったということです、私にしては珍しく。

こちら↑末で64㎝ありました。買ってから気が付いたけど、ちょっと径が大きい。挽いてもらえるのかな。

この市では、というか、西日本ではあんまり桐の原木丸太は出ないのです。特に産出地であるわけではありませんしね。

そのため、近年ではこんな大径の丸太は、少なくともこの市では年に1度もありません。

もちろん、越後や会津ではありませんので選抜種ではなく、山桐(山に生えている生長の遅い桐の木、目立ちの良い細かな年輪になりやすい)でもありません。

というか、山には桐の木はほとんど生えていないし。

この丸太も地桐。つまりは里や里山で育った桐でしょう。

まあ、元に近いこの丸太(山方の都合で短くして出したらしい。これは二番玉)は質的にいまいちですが、末にいくにしたがって品質は良くなるような個体だったのでしょう。

こちら↑も落札。う~ん、四番玉になるのかな。

一つ前のと同じように中心が寄っていますが、桐はすべて柾で挽きます。そのため、捻じれや屈折がない限りあまり欠点にはなりません(もちろん、寄り黄身はない方がいいのだけど)。

ちなみに、そのように製材すると、この丸太の手前の屈折部分はほとんど用材にならないでしょう(切ったら製材機の爪掛からんし)。まあ、残念ですが。

それと桐はほとんど白太がない(年輪で言うと3本分くらいがほとんど)ので、その点でも丸太の材積から用材の材積を換算しやすいです。

そして、こちら↓が今回出品された中で一番良い(と思う)丸太。そして、清水の舞台とは言わないまでも縁側から飛び降りるくらいの気持ちで落とした丸太。

う~ん、思わぬところまで競ってしまった…。立米あたりではこの丸太が一番高くなりました。

これは六番玉になるのかな。ということはなんだか偶数玉ばかりを買い揃えた形です。

それにしてもこの丸太は芯がほぼ中心で割と真っすぐですね。

久しぶりにスリリングな競りを満喫した余韻(←小さい男だなぁ)に浸りながら、初冬の紅葉を楽しみつつドライブして帰宅。

遅くなった昼ご飯を食べたら、いつものようにお持ち帰りの薪の原木を日没まで玉切り・大割にしていましたとさ。