山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

薪用の丸太ばかりが増えていく

そろそろシイタケ栽培用の原木を手に入れなければいけません。

しかし、今年入るつもりでいた近所の山がちょっと都合が悪くなってしまったので、入らせてもらう山をこの期に及んで探し中です。

さすがにもう時期が時期。う~ん、今年は自分で山に入って木を伐り出すのは難しいかもなあ・・・。

自分で山に入らないとなると、今度は販売用薪も足りなくなります。

そこで、どう転んでもいいように市場で薪用の丸太を精力的に買っておくことにしました。

天気のいい市は丸太さんも気持ちよさそうです。

針葉樹の競りから始まりましたが、このところ桧丸太が特に安い。

いや、なんぼ何でもちょっと安すぎじゃないの?これじゃあ、山を持っている方も山仕事やっている方も成り立たないんじゃなかろうか。

というか、スギ・ヒノキ丸太の需要供給バランスの地域差がありすぎて、この地方では産業としてだいぶ厳しい…。

針葉樹がそんな状態だからと言って広葉樹がいいわけでもなく、残念ながらチップ送りもだいぶありましたけどね。

う~ん、木材輸入大国の日本。日本は木の文化だか何だか知らないけど、何かが違っているような・・・。

・・・ということで、今日は薪用丸太に手を上げるおっさん。

↑こちらコナラ。ちなみに「604」は私のこの市での番号ね。

ちょっと品質的に悪いのですが、まあ薪として加工されるので大丈夫かな。それとね、内緒だけど、この丸太、余尺が良かったのよ。

私が落としたのは写真中央のクヌギです。これは割りやすいので仕事が楽な丸太。

もう一本クヌギ(写真中央)。

お察しの通り、ちょっとねじれがあるかどうか気になるところですが、扁平だったので同じく余尺がとても良い(←基本的に薪のために購入する丸太は体積で採算性を考えます)。

割ることを考えると質的には左隣の丸太の方が断然いいのですが、直径が大きくなると玉切りとその後の大割りとがとんでもなくしんどくて手間がかかるのです。

今期はコナラやクヌギがポツポツと出ているので、おっさんの体力と持てる設備を勘案しつつ、選り好みをして落としています。

薪用丸太の最後は一番右のコナラ。これも質的には気になるところですが、作業性はいいんでないでしょうか。

また、真ん中の長い桜(ヤマザクラ)も落としました。

桜の遅い丸太を頼まれていたので探していたのです。

それに元の方がそれなりに太さもあるので、そちらの方3mちょっとは用材にできます。

そしてこの桜、・・・安かった。

私以外に入札希望者がおらず競りにならなかったためではあるのですが、まず競り人が付けた初値が低かった。

このおっさんが予想していたのの6割くらいの値段。

そのため、私がすぐに手を挙げてハイ終わり。

落としておいて言うのもなんだけど、それは初値が安いよ。

末が細くて余尺大好きなこのおっさん好みではあるのですが、それを含めて初値はちゃんと掛けた方が良かったんじゃないかなあ。

まあ、定価のない市という仕組みは面白いですねぇ(ただ、売り手も買い手も世間も良い取引を望みたいです)。

家に帰ったら、今日もお持ち帰りした丸太を玉切り、大割りして日が暮れました。