山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

誕生日で楡(にれ)がカーリー

今日でまた一つ馬齢を重ねました。

アラフォーもど真ん中に差し掛かっています。

そんな暗い(?)話はさておいて、今日は丸太の製材に立ち会いました。

去年からお世話になっている製材所さんです↓

桧から取り掛かってもらいました。

まあ、桧が4本と雑木が2本しかないのですが・・・。

最初は「5メートルだったけど、挽き賃がいたずらにかかるといけないので、先っぽを市場で切って置いてきた」丸太です。

さてさて、どんなかな?

うん、結構いい感じ。

元(もと)はもともと腐れが入っていましたので、4分の1は期待していませんでしたが、この腐れも想定内の範囲です。

元と末(すえ)との直径がだいぶ違いますが、うちは家具などを作るために結局、長さ方向を切って短くするので、台形に引いてもらいました。

次は短い桧の1号↓

ところで、市場では杉・桧を1m単位で寸見します。

これは2.8mあるので、測定余尺でだいぶお得でした。

上の写真、挽き始めの無節は当たり前、だって丸太の状態でも枝見えますから。

植林は枝打ちが頻繁にされていたかで、板・角材の値打ちが決まります。

う~ん、節が出るのが早いよ。

気を取り直して、次いってみよう、4mの桧↓

こちらは先ほどのよりも太くて、そしてお値段も高めでした。

おっと、これも節が出るのがやや早い…。

次、次は頼む・・・

ヒノキの最後、短いさん2号はさらに節が出るのが早いっ。

短いのは元玉(もとだま)なので節は出にくいはずなのですが、上手くいきませんね。

次は欅(ケヤキ)↓

広葉樹ですから、もともと中から節はあまり出てきません。

予想通り、いい感じです。

反対側もいい感じで歩留まりはだいぶいい方です。

最後は楡(にれ)です。

この楡には失礼なのですが、市場から製材所まで輸送を頼むとき、私は「丸太5本あるのでお願いします」と言ったのです。

持ってきてもらうこの製材所の社長が「丸太、6本あったよ」って。

私自身、この楡を買ったことをすっかり忘れていて、さらに、今日改めて見てなんで買ったのだろうと思っています。

だって白太(しらた)深いんだもん↓

白太落としたら材積半分くらいになっちゃうよ。

見るからに歩留まり悪いって・・・。

・・・ん、んん。こ、これはっ・・・

縮(ちぢみ)で杢杢(もくもく)しています、縮杢。カーリーです。

しかも縮の深さがちょうどいい。

浅いと杢あんまり見えないし、深いと今度は加工がしづらいのです。

なんてすばらしい。そして、その縮も丸太の元から末まではいっている。

芯の周辺の直径25㎝はさすがに杢がありませんが、柾目で結構な杢のある板ができます。

白太がちゃんと乾かせるかわかりません(特に虫が入るとダメになる)が、もし白太も使えるなら、末端価格にして(丸太代+挽き賃)×10くらいの価値になります。

お金の神様、木工の神様、誕生日プレゼントありがとう。ぼく、木工も頑張る。

いつもは杉・桧ばかりを挽いている製材所の社長が耳(皮のこと)を深くとりすぎて、だいぶ材積がそげてしまった板があったのはご愛嬌・・・。

だいぶ製材を手際よくやっていただいたので、陽のあるうちに帰って来れました。

日没までできる限り下ろして、残りは明日雨が降る前までに済ませます。