山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

2020年の製材(その2)

今日はあいにくの雨、それも冷たい雨となりました。

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時折、強く降ってきたので、結構濡れました。

今日の最初は昨日の桧の垂木・野地板の残りを仕上げてもらいました。

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手前の山の上に積んであるのが野地板、その下にちょっとだけ4mの垂木。

6mの垂木は26本とれました↓

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木材小屋の屋根をやるには十分な量となりました。

今日の1本目はミズナラ、径が小さく長さも短いです。

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きれいで素直な中身で一安心。

楢なので、乾燥時の曲がり・ねじれを想定して、柾で挽いてもらいました。

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反対側はちょっと悪かったかな、でも大きな節はなく、歩留まりはだいぶ良くなりました。

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耳を落として小さく納まりました。

次は椎(しいのき)、これも柾で挽いてもらいましたが・・・

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中からねじれによる揉め(せん断)が現れました。

このような部分は用材としての価値がありません。

この椎は丸太からの歩留まりが4分の1くらいになってしまったかも…。

椎はショックでしたが、気を取り直して次はよく曲がった「種類のわからない木パート2」

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とりあえず、途中で切って半分になりました。

半分にしてもまだ曲がっていて、だいぶ芯も寄っています、・・・期待が持てないかな。

皮落としたらなくなってしまうので、耳付きで挽いてみると・・・

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中はそれなりに普通でした、良くも悪くもない感じ。

製材所の方と私の意見が一致したところでは、この木は栓(せんのき)だろうという結論に達しました。

市場でも栓だろうという意見がありましたし、乾燥してどれくらいの色で落ち着くか気になるところです。

白い栓はとても上品なのですよ、・・・本州ではなく道産の話ですが。

結局、ダメな椎と栓はこんな山↓になりました(下が椎)

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ここで再び閑話休題

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丸太の製材を製材所の方に任せている間、何となく「困った欅」の木取りをしてみました。

話戻って、次は若い欅、これも曲がっていたので途中で切りました。

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曲がったところで切ったら、だいぶ真っすぐになって、耳落としが出来そうです。

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う~ん、若い。

♪わ~れは挽く~、青白きケヤキのままでぇ~

・・・若い欅のことを「青ケヤキ」と言うのですよ。

ちなみに、これくらいの欅は丸太としての価値はあまりないので、これを目的に伐採することはまずありません。

林道の整備や何らかの事情での皆伐で伐られたものが市場に持ち込まれるのです。

市値も安く、場合によっては用材用丸太として取引されないこともあります。

私は使命感を持ってこのような丸太を使い、大切な森林の資源利用に貢献します。

・・・半分ほんとの半分うそです、もっといい丸太も買いたい…。

切った元も末も中はほとんど節がなくて、きれいな耳落としの板目がとれました(白太は深かったけどね)。

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今日はこの欅でおしまい、この欅の山の写真と「困った欅」の製材はまた明日。