山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

市からの2020年の製材

昨日・今日と寒中とは思えないほどの暖かさ。

もう春が来たのかと思います。

今日は市日↓

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この時期はたいていは時雨れたり積雪があるものですが、丸太に青カビが生えるんじゃないか?

今日はそれなりの径の安い欅(けやき)を買いました↓

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器量、つまり製材時のおおよその歩留まりは良くありませんが、まあまあの木質なのではないでしょうか。

前回買えなかった5mの桧。今日もあまりうまくいかずに6mを買いました。

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↑真ん中ね。木材小屋の屋根の垂木に欲しかったの。1m長いけど仕方がないです。

ちなみに、家具用の材ですと別に長くてもいいのですが、建築材を仕入れる人は長いのもあまり好みません。

長いと材積が多くなるのに、1mとか2mでは役物にならないからです。市場にはいろいろな人が集います。

今日は市からの今期の製材です。いつもの製材所にお願いします。

まずは桧から。

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写真左から挽いていきます。というか挽かれていきます。

1本目は・・・

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・・・良い感じ。板目で取って、芯の節が出るところは垂木に挽いてもらいました。

2本目は・・・

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捻じれていたので、皮の近くの板は優雅な曲線を描きました…。

この丸太の芯は野地板に挽いてもらいました。

1本目よりかは芯近くの節が早く出てきたので、ちょっと歩留まり悪い…。

3本目は挽くのが楽しみだった丸太です。

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丸太は外側から挽いていくので、初めは良いと思っていたのです。

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でも節が思いのほか早く出てきてしまい、がっかりです。

こちらも芯は野地板に挽いてもらいました。

実際の順序とはちょっと前後しますが、桧の4本目をブログでは先にアップしておきます。

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↑今日買った6mです。

まあ、初めから垂木で取るつもりだったので、いくつかそれなりの節があることはわかっていましたが・・・

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だいぶ良い丸太でした。良い垂木、もったいない。

丸太のときから「二ム」で5寸角の通し柱がとれるとは思っていましたが、建築材としても良い丸太だったのではないでしょうか。

でも「二ム」、つまり二方無地なんて今の時代、需要ないか・・・。

私が垂木に取るために買ったのは仕方がないことなのですが、時代が時代ならもっと活躍できたことを考えるとなんだか悪いことをした気持ち。

ここで、閑話休題

今日買った欅を製材所に持ってきてもらいましたが、転がしたらこんな感じ↓

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・・・安かったからね。役物にするための木取りが難しそう、いや、難しい。

この欅はまだ先です。次は桜↓(写真奥)。

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買ったときは大きいと思っていましたが、他と比べると結構細い。

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・・・おっ、良い感じ。

何枚か板をとって、反対側は・・・

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こっちはそれなりに癖があります。

次はさっきの写真手前のなんだかわからない丸太。

製材所の人も木の種類がわかりませんでした。

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とりあえず挽きます。

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美しい板目が登場しました(・・・力強い導管の木目が評価される時代じゃないけど…)。

板目を見る限り、タモ・塩地(しおじ)のような感じですが、もっとやわらかいかな。

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反対側は節が2つほど出てきました。

この丸太は曲がっていて、「耳落とし」では板としてなくなってしまうので、耳付きで34㎜にだら挽きしてもらいました。

早速、今日挽いてもらった板に鎹(かすがい)・割れ止めをしておきます。

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今日挽いた垂木・野地板以外の役物はこんな↑感じです。

今日は暖かくて助かりました。

明日はそれなりの寒さになるのかな。製材所は吹きっさらしだから寒そうだなぁ。

ちなみに、作業場では昨日塗ったチェストの部材のオスモオイルを乾かしています。

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昨日は本体の部材の4分の1くらいの塗装をしたのでした。