山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

枘(ほぞ)がたくさん

今日も暑いです。こんなに暑いと、ダイコンの種まきができません。

芽が出ても、すぐにカイワレ大根の干しダイコンになってしまいます。

ついでに、熱中症になってしまうので、冷房のない漆部屋では拭き漆もできません。

里山チェアの枘(ほぞ)加工が真っ盛りです。

後脚(うしろあし)は形になってきました。イスなので、脚に枘穴が集中しています。

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座面の框(かまち)の枘を作ります↓

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枘が小さく、寄って見えるのはアールを取るからです。

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ちょっと、このアールはきつ過ぎたかな。

その他の部材も、どんどん枘を作っていきます。

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ほぞほぞ枘、ほぞを噛むの「ほぞ」は違う字(臍)です。

機械作業は手際の良さが勝負ですね。

地味な色です

明日は「処暑」。暑さも峠を越すころという時期です。

週間予報では今日あたりから雨の予報が出ていましたが、当地では夕立さえもありません。

しかしまあ、イベントや行事の自粛のおかげで季節感すらないので、ただ暑い毎日をやり過ごしている感じです。

里山チェアの寸法決めが終わりました↓

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木部はすべてコナラで作るので、地味な色で統一されています。

この数日、手押し・自動鉋盤と横切り盤とを行ったり来たりしていました。

やっぱり時間のかかる墨付けと罫書(けがき)ですが、並行して、加工も進めます。

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墨付けをしてからすぐにその部材を加工しないと、ふと目に付いた「加工のときに注意すること」を忘れてしまうのです。

ちょっと込み入った加工になると、加工の順番にも気を付けなければいけません。

なるべく「精度が残るように」進めていかないと、加工をするにしたがってどんどん誤差が大きくなります。

このように頭を使って進めなければいけないので、勉強、勉強の時間が続きます。

コナラは歩留まりが悪いなぁ

今日も暑いです。そのため、昼にはシイタケの榾木に水をあげています。

暑さの中で、榾木が、シイタケがかわいそう…。

水を撒くたびに、もっと良い環境を作ってあげたいと思います。

でも、お金と時間とお金がないのよ・・・。

ちょっと凝ったスツールはようやく磨きが終わりました↓

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この作品は拭き漆で仕上げるので、もう少し涼しくなったら始めようと思います(この暑さじゃ漆部屋で熱中症になっちゃう)。

引き続き、里山チェアは材料取り。

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コナラは小節もあり、また虫も食っている場所もあるので歩留まりが悪いです(虫についてはまた今度書きます)。

相変わらず、バンドソーは苦しそうです。

今日からは寸法出しも始めました。

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木が硬くて、手押しもしんどい、そろそろ刃も替えたい。

今回はカーブもままあるので、機械作業に飽きたら、機械を休ませている間は木型も作ります。

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形にしていくと、CADで描いた時とはちょっとイメージが違うところも出てきて、不安も感じます。

暴れるのは厄介なのです

図面やラベルシールやらでパソコンに向かい続けていた先週、草刈りをしました。

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というのも、私はデスクワークというか、座ってばかりいると、どうしてもおなかの調子が悪くなるのです。

私の前世は回遊魚だったのかな。

そこまでプレミアムな存在ではないから、たぶんマグロじゃないなぁ。カツオくらいかな。

こんな暑い中での草刈りは辛いとはわかってるものの、体を動かすことを兼ねて、金曜日(14日)に小さな草刈り(通算3回目)をしました。

今思えば、まだ金曜日は涼しかった(?)なぁ、33℃くらいだったかな。

これで、次の9月終わりごろにする草刈りで、今年は最後になるはず。

里山チェアは木取り・荒取りの真っ最中。

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厚い板はチェーンソーもはねて苦しいです。

コナラは用材の中でも硬い方なので、機械さんたちもたいへんそうです。

コナラが用材に向かない理由として、暴れるのがあります。

木材の世界で「暴れる」とは乾燥時や加工時に板のおさまりが利かないことをさします。 

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製材に同じ厚みで挽いたにもかかわらず、乾燥すると厚みが不揃いで大きく反っています。

暴れる木の典型的な「症状」で厄介なのです。

コナラは「暴れやすい樹種」です。

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写真左下はミズナラですが、同じならでもミズナラの方がだいぶお利口さんです。

まあ、誤解を恐れずに言うと、用材の価値は

「樹種×個体差×伐採時期や技術×木取りを含む製材×乾燥にかける手間」

で決まるようなものです。

樹種で評価が低くとも他でカバーすれば「それなりの用材」として有効利用できます。

逆に言うと、他が良くともある要素が0に近いとほぼ価値はありません。

余談はさておき、ただひたすらにチェーンソーとバンドソーで角材にしていきます。

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こちらにもあちらにも薪、・・・じゃなかった材料を積んでいきます。

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↑こちらは癖の強そうな板からとりました。厚みが残るかな…。

間に合わなかった

鍋の底のようなこの暑さ。

シイタケと同じように暑さに弱い私にとって、とても殺人的です。

週の初めに、次の制作の図面やシイタケのパッケージ作りなどを今週中にやると宣言しましたが、肝心の「ちょっと凝った」スツールが終わりませんでした。

というのも、次の制作の「里山チェア」の図面に時間がかかり過ぎました。

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木型のものもあるので、20枚以上あります。

これを作るのに丸2日かかりました。

1日くらいで終わると思っていたのに・・・。

CADとはいえ、描いては消してを繰り返していたので、なかなか進みませんでした。

一応、シイタケのパッケージはたたき台ができました↓

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illustratorを使おうかなと思いましたが、もう10年もやっていないのとサブスクを払うのもどうかと思ったので、CADで作りました。

印刷をかけるときに色の問題が出そうでそれが懸念です。

居酒屋スツールと一輪挿しセットはネットにアップしました。

 山乃井木工房のiichiページ

  https://www.iichi.com/shop/yamanoimokkoubou

 山乃井木工房のCreemaページ

  https://www.creema.jp/c/yamanoimokkoubou

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このちょっと凝ったスツールの磨き作業がほとんど手つかずでした。

今日も天気が良いので、というか天気が良い日しかありませんが、早速図面を描いた里山チェアの材料取りをします。

使う木はこちら↓

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コナラです。里山を代表する木で、重要な構成樹種です。

しかし、コナラはもともと用材としてあまり使われてきませんでした。

理由は今後、記載していきますが、その一つに、往々にして癖があるのです。

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使いづらいところが多くて、木取りがなかなか進みません。

やり直しました

明らかに体温を超える気温。日中は体を動かすと危ない暑さです。

貫はやり直しました↓

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木材小屋から材料を出してきて、ここまで加工するのに半日以上・・・。

大きな回り道です。

これで、部材がすべて揃ったので、ペーパー掛けの作業が始まります。

全身を動かすことはありませんが、座りながらの作業で暑さを忘れられません。

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・・・ブブぶぶぶうぃ――――・・・

ミニサンダーは例によって調子が悪くなり、もはやあばれる君。

少し凝ると、サンダーではかけられない面が多く出てきます。

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・・・シャカシャカシャカ・・・

このペーパー掛け、今週中には終わらせて木地を完成させたいです。

あと、今週中にやりたいこと、やらなければいけないことは、次の「里山チェア」の図面を引くこと、「居酒屋スツール」のネットショップへの投稿(本文作らないと)、今秋に道の駅に出荷予定のシイタケのパッケージデザインの作成など…。

果たして、どこまで終わるのだろう・・・。

間違えた・・・

不要不急の用事仕方ない私は、木工制作に精進することにしました。

・・・嘘です。この暑い中、熱い作業場で制作なんかできるかっ・・・、いえ、頑張ります。

ちょっと凝ったスツールは脚の加工。

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まずはバンドソーで挽いて、カーブを付けました。

そして、同じくバンドソーで傾斜挽きをして、変則五角形にします。

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多角形にすると、切り落とす材が結構な大きさです↓

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そのため、完成品に対して必要な材料の量が多くなっています。

凝ると材料費がかさんでいるのよ。

枘穴の面はフラットじゃないと貫が入らないので、平らにします。

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若干くぼんでいるので、豆鉋(まめがんな)で平たくしました(・・・久しぶりに手仕事したなぁ)。

六角形の方には枘穴を開けました。

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そして、仮組みをしますが・・・

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写真では見えづらいけど、貫の寸法を間違えてる…。

2DCADしかできないのでうまく寸法を取れなかったからか、もともと空間把握力がなくて長さを推察できなかったからか・・・。

いえいえ、その両方でしょう…。貫は初めからやり直しです。

今日もまた、勉強になりました。