山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

木材が届きました

昨日・今日で製材した木材が届きました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212501j:plain

写真には写っていない栗の束も併せて、4トン車2台分です。

製材してからというもの快晴の日が続いていたので、残念ながら干割れが結構起きています。

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212646j:plain

製材所では割れ止めが塗れないので、仕方がないです。

製材直後の天敵は良いお天気なのです。

早速、木口に割れ止めを塗ります。

・・・ペタペタペタ・・・

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212718j:plain

木口が乾いており、また天候が天候なので、すぐに乾きます。

そして、ちょっとの間の屋根をあてがいます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212729j:plain

ほんの日除け程度です。数日の内にはもっときちんと積みなおします。

一方で、桐ですが、こちらは雨ざらしにします。

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212536j:plain

4m材なので、立てておくところがないの・・・。

さすがに母屋に立て掛けるわけにはいかないしね。

しかし、重かった…。

桐は乾くと日本の木材の中で最も軽い樹種ですが、生木はその何倍も重いです。

一番最初に苦労して運んだ角材が芯で、運ばなくてよいものでした。

芯は使えるところがないので、板の下に敷く「リンギ」か薪にしかなりません。

何だ、芯かい…、しんかい。

・・・入れかわってる!?、、、桐と前々々世から・・・

入れかわったんではなくて、私が取り違えたのです。

f:id:yamanoimokkoubou:20180327212530j:plain

均等に雨にあたるように、間隔を空けてまっすぐにしています。

木を迎える準備

明日、明後日と製材した板が届く予定なので、それを迎える準備をします。

今回の桐の板は長尺なので、本来は立てて雨ざらしにしたいところですが、寝かせて雨ざらしにします。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195757j:plain

来たらすぐに片づけられるように、予定地を作っておきます。

また、木材を積むところも凸凹だったので、整地しました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195816j:plain

そして、木材を積むところに屋根を作りたいので、それも作り始めます。

本当はもっと事前に小屋を作っておきたいのですが、今回降ろしてもらうときにトラックの横づけの邪魔になってしまうので、本格的に作り始めるのはもう少し先です。

今日はその一部だけ作ります。

まずは穴を掘ります。

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212743j:plain

そういえば、春になるといつも穴を掘って、コンクリを練っているような気がするなあ。

もちろん、お金になるわけではない粗末な小屋のために本格的な建築なんてやってられないので(そもそもそんな心得ないし・・・)、単管で作ります。

単管を組んで・・・

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212800j:plain

垂直を出します。

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212742j:plain

そして、足元をコンクリートで固めます。

・・・コネコネコネ、子猫猫ね?・・・

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212849j:plain

今日はここまでです。

一方で、積み木づくりはというと・・・

シイタケを世話したり、丸太を製材したり、シイタケを世話したりで、ほっとんど進んでいません。

長い棒の面取り部の磨きはようやく終了。

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212906j:plain

そしてラスボスの水道橋の面取り部の磨きに入りました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180325213005j:plain

箱の方はようやくあられ組の仕口が出来上がりつつあります。

f:id:yamanoimokkoubou:20180325212943j:plain

これからしばらくの積み木づくりは日が沈んだ後の作業になりそうです。

晴れた日が続くそうな

一昨日まではひどい雨続きで、まだ水の来ていない田んぼも沼のようになっていました。

しかし一転して、昨日からはいいお天気で、今後一週間以上も晴れた日が続くそうです。

まだ木口に割れ止めを塗っていない製材した木材も気がかり(まだ製材所から届いていない)ですが、同様に気がかりなのがシイタケのこと。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195528j:plain

家の裏のわりかし日陰になるところに覆いをして、仮伏せしました。

菌が榾(ほだ)に良く回るといいのですが…。

ツナギを着ているので、ついでに管理機のオイル交換をしました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195607j:plain

どろどろ血液です。

エンジンオイルの缶が腐食していたのか、全くなくなっていたので、新しいのを買ってきて注入・・・

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195649j:plain

・・・エンジンがかかりました。今年も現役で行けそうです。

さらに、ついでにタイヤ交換もしました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195605j:plain

今年は雪が少なくて助かりました。

しばらくは平年よりも暖かい日が続くのようなので、もう雪や凍結の心配はないでしょう。

さらにさらについでに家の裏の溝の掃除もしました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180324195711j:plain

こういうのって、やる気になった時に「よいしょ」ってやらないといつまでもやらないままなんだよね。

2018年の製材(その2)

この時期は暖かい日もあろうに、私が製材をするときはいつも寒い日です。

一昨日に続いて、今日も雨が強く降り、そして寒いっ。

初めに断っておきますと、この投稿はとても長いです。

 

まずは前回の投稿で載せられなかった欅1と桐の「完成図」から↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203526j:plain

桐はこんな端っこの部分もあります。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203527j:plain

桐は雨ざらしにしても虫や腐れが出ないので、こんな物でも残して雨ざらしにします。

欅2はこんな感じ↓、なかなかの幅広材になりました(まあ、白太は深いんだけどね)

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203525j:plain

今日はここから、欅その3

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203225j:plain

この材は半分に小節が多く、半分はきれいです。

そういう丸太は製材のセオリー通りではなく、角度を変えて台車に乗せます。

さて、どうなるかな?

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203238j:plain

・・・あら残念、大きな虫さんが工事していました。

反対側の小節はこんな感じ↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203300j:plain

もちょっと「ふしだら」だったらよかったのに・・・。

でも、欅3も中から厄介な節が出てくることはなく、虫穴が出た以外は歩留まりがよろしかったです。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203434j:plain

もともと目もつんでいたので、幅広材ではありませんが使い勝手は良さそうです。

お次は桧(ひのき)その1

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203406j:plain

根元の方が腐っていました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203424j:plain

お陰さまで側もスーッと腐れが入っています。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203625j:plain

節もまあまあ出てきたので、優良材ではありませんでした。

元が安かったとはいえ、う~ん、いまいちです。

次は同じく桧その2

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203703j:plain

写真ではわかりづらいですが、この木は目がよくつんでいます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203652j:plain

半身はほぼ無節で、半身は末半分に大きな節がありました。

オペレーターさんが丸太の性をよく見て製材してくださっているので、極力、節が板目に出ないようになりました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203807j:plain

芯の方の節はしょうがないんだよね。

ちなみに桧1桧2の芯は45㎜角の垂木に取ってもらいました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322205024j:plain

ちょうど、小さな木材小屋の屋根を作ろうとしていたので、その役物になります。

お次は種類が変わって栗です。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203800j:plain

この栗その1は市の時、ある程度の径があるし、「いいな」と思って買いましたが、後でよく見てみると元の割れと目廻りがひどく、まともな板がとれないのではと思っています。

欅3の時と同じように、製材のセオリーに反して、角度を調整して挽きます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203855j:plain

丸太も古かったし、芯割れのところは腐っていました。

また、虫さんの苦労の痕もありました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203745j:plain

市の後とはいえ、丸太の悪さに気が付いていたので、「まあ、こんなものか」といったところです。

そろそろ丸太と板の写真ばかりで、だんだん違いが判らなくなってきましたが、次は栗その2↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322203928j:plain

この木も(写真でもよくわかるほどに)変形しているので、角度を変えて挽きます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204008j:plain

おおっ、思った以上に素晴らしく良い丸太。

丸太時の写真の左側は良い板が取れるとは思っていたけど、反対側の変な形の方も無節の素晴らしい板がとれました。

この丸太は、出来栄点は満点の3.0が付きました。

さらに栗が続いてその3↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204044j:plain

これはさらに癖があるので節は出てくるよね~、そだね~。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204131j:plain

でも、これも良い板がとれました(真ん中の板は欲張って挽いたら芯が出てきたのです…)。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204351j:plain

栗の板の山↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204551j:plain

栗の良い板がたくさんとれたなぁ~。これは良かった。

さて、趣が変わって楠(くす)です。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204213j:plain

なんだか女性的な外見をしています。

末にも元にも入り皮があり、まずもって長尺の板はとれないでしょう。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204519j:plain

楠特有のにおいが辺り一面に立ち込めます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204545j:plain

でもまあ、予想していたよりも、使えるところは多くなりました。

一応、板として存在できるレベルです。柾使いの引き出し材ならば十分すぎるほどです。

今年の製材も終わりが見えてきました、黄蘗(きはだ)↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204719j:plain

小径木の目が粗い丸太です。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204752j:plain

黄色が鮮やか、眩しいっ。

おっと、こちらも思っていた以上に良い板に↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204754j:plain

末の枝分かれ以外は節が見当たりません。出来栄点はほぼ満点。

楠と黄蘗はこんな感じ↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180322205019j:plain

いよいよ最後の桜です。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204849j:plain

曲がりがきついので、途中で切断されています。

そもそも小径木だし、表面の見た目は悪いしで、あまり期待できません。

積み木くらい細かく材をとるなら問題ないでしょう。

最後だし気楽にいきましょう。

f:id:yamanoimokkoubou:20180322204916j:plain

あれ、内側からは節が出てこないや。

写真はとれませんでしたが、この材料も出来栄点が満点に近い丸太でした。

今年の製材は総じて成績が良く、事前予測よりもだいぶ良い素晴らしい結果となりました。

使うのが楽しみな板も多く、重くて辛い木を積む作業もいくらか気持ちが楽になります。

毎年こんな感じだったらいいのにと思うような一日でした。

2018年の製材(その1)

午前中に市に参加し、今日買った丸太も含めて製材所に運んでもらいました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190015j:plain

ということで、今シーズン仕入れた丸太の製材のはじまりはじまり…(まあ、プロの皆さんにお願いするんだけどね)。

今年は去年よりも多いので、1日半と思い、今日で午後の半日、後日もう一日するつもりです。

まずは桐から↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190034j:plain

桐は矧(はい)で使うので、すべて柾で挽きます。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190054j:plain

もともと外見でも素直そうな桐でしたが、内から出てくる節も1か所とやはり歩留まりもよろしい。安心安心。

3種類の厚みを変えた板とその切れ端をすべて柾でとりました。

ここから先の丸太はすべて耳落としで挽いてもらいました。

さてさて欅(ケヤキ)その1↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190142j:plain

丸太の状態の写真は撮っていませんでしたが、この欅は目が詰まった器量のよさそうな丸太でした。

でも、写真のように内から節が何か所か出てきました。

う~ん、残念。

この欅はバン(盤・板)でとりました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190209j:plain

上に細かいのが乗っていますが、使いたいのは下の2丁が主です。

ちなみに、鎹(カスガイ)を現場ですぐ打ちます。

材によっては製材機を通ったその時に、そうでなくとも気象によって、割れはすぐ広がるのです(すんばらしい材はそうではないかもだけど)。

続いては欅その2↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190320j:plain

末が随分と曲がっていたので、そこだけ切り落とされています。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320190252j:plain

もともとあまりきれいな丸太ではなかったので、いくらかの節は覚悟していました。

でも、表面に現れている節痕のみ中に続いていて、内に隠れている節はなく、思ったよりも良材が取れました。

良い子よいこ。

こちらはやや厚い板目でとりました。

ここで、今日はおしまい。

続きはまた今度。さよなら、さよなら。

今日は市日でした

寒い中、今日は市日でした。

市の日はウキウキで出かけるのですが、あまりにも肌寒い雨なので、ちょっと気乗りがしません。

でも、今日で今シーズンの買い付けは終了と思って出かけました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320185915j:plain

広葉樹にはいいのがなかった(薪にするにはちょうど良いのがあったけどね)ので、桧(ひのき)の競りに参加しました。

というのも、製材後の輸送をお願いするのですが、1車分単価なので、中途半端だと輸送料がもったいないのです。

で、買ったのは下の2本。

f:id:yamanoimokkoubou:20180320185942j:plain

f:id:yamanoimokkoubou:20180320185938j:plain

どちらも小径木(末で35㎝くらい)で、小節もまま見られますが、上はとてもよく詰まった、下もまあまあ目が詰まった桧なので、使い勝手はいいでしょう。

ということで、予算的にもこれで今シーズンの丸太の買い付け0はおしまいにします。

バクー、シータケー (その2)

バーベキューではありません。

f:id:yamanoimokkoubou:20180319190935j:plain

繰り返す、これはバーベキューではない。(←元ネタなんだったっけ?)

朝から雨が降ってきて、今後3日間雨が続くみたいです。

そのため、天気が良くなったら菌打ちの続きをやろうと思っていましたが、テントを立てて強行することにしました。

オガ菌なので、封蝋が必要です。

f:id:yamanoimokkoubou:20180319190937j:plain

湯煎をして蝋を溶かしてスポンジで付けます。

菌はこちら↓

f:id:yamanoimokkoubou:20180319190938j:plain

「菌の巣だ」

植菌棒で移植して・・・

f:id:yamanoimokkoubou:20180319191042j:plain

封蝋をします。

f:id:yamanoimokkoubou:20180319191018j:plain

植菌は私がやって、封蝋を嫁さんに担当してもらいました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180319191120j:plain

ほら、榾木らしくなったでしょ。

向かい合って、作業をしていたらほんとにバーベキューの火を囲んでいるみたいで、近所の人に間違われました。

調子よく作業をしていましたが、日が沈んでしまい、残り7・8本のところで今日はここまでとなりました。

f:id:yamanoimokkoubou:20180319191138j:plain

明日はできないので、明後日続きに取り掛かろうかな。