この時期は暖かい日もあろうに、私が製材をするときはいつも寒い日です。
一昨日に続いて、今日も雨が強く降り、そして寒いっ。
初めに断っておきますと、この投稿はとても長いです。
まずは前回の投稿で載せられなかった欅1と桐の「完成図」から↓
桐はこんな端っこの部分もあります。
桐は雨ざらしにしても虫や腐れが出ないので、こんな物でも残して雨ざらしにします。
欅2はこんな感じ↓、なかなかの幅広材になりました(まあ、白太は深いんだけどね)
今日はここから、欅その3
この材は半分に小節が多く、半分はきれいです。
そういう丸太は製材のセオリー通りではなく、角度を変えて台車に乗せます。
さて、どうなるかな?
・・・あら残念、大きな虫さんが工事していました。
反対側の小節はこんな感じ↓
もちょっと「ふしだら」だったらよかったのに・・・。
でも、欅3も中から厄介な節が出てくることはなく、虫穴が出た以外は歩留まりがよろしかったです。
もともと目もつんでいたので、幅広材ではありませんが使い勝手は良さそうです。
お次は桧(ひのき)その1
根元の方が腐っていました。
お陰さまで側もスーッと腐れが入っています。
節もまあまあ出てきたので、優良材ではありませんでした。
元が安かったとはいえ、う~ん、いまいちです。
次は同じく桧その2
写真ではわかりづらいですが、この木は目がよくつんでいます。
半身はほぼ無節で、半身は末半分に大きな節がありました。
オペレーターさんが丸太の性をよく見て製材してくださっているので、極力、節が板目に出ないようになりました。
芯の方の節はしょうがないんだよね。
ちなみに桧1桧2の芯は45㎜角の垂木に取ってもらいました。
ちょうど、小さな木材小屋の屋根を作ろうとしていたので、その役物になります。
お次は種類が変わって栗です。
この栗その1は市の時、ある程度の径があるし、「いいな」と思って買いましたが、後でよく見てみると元の割れと目廻りがひどく、まともな板がとれないのではと思っています。
欅3の時と同じように、製材のセオリーに反して、角度を調整して挽きます。
丸太も古かったし、芯割れのところは腐っていました。
また、虫さんの苦労の痕もありました。
市の後とはいえ、丸太の悪さに気が付いていたので、「まあ、こんなものか」といったところです。
そろそろ丸太と板の写真ばかりで、だんだん違いが判らなくなってきましたが、次は栗その2↓
この木も(写真でもよくわかるほどに)変形しているので、角度を変えて挽きます。
おおっ、思った以上に素晴らしく良い丸太。
丸太時の写真の左側は良い板が取れるとは思っていたけど、反対側の変な形の方も無節の素晴らしい板がとれました。
この丸太は、出来栄点は満点の3.0が付きました。
さらに栗が続いてその3↓
これはさらに癖があるので節は出てくるよね~、そだね~。
でも、これも良い板がとれました(真ん中の板は欲張って挽いたら芯が出てきたのです…)。
栗の板の山↓
栗の良い板がたくさんとれたなぁ~。これは良かった。
さて、趣が変わって楠(くす)です。
なんだか女性的な外見をしています。
末にも元にも入り皮があり、まずもって長尺の板はとれないでしょう。
楠特有のにおいが辺り一面に立ち込めます。
でもまあ、予想していたよりも、使えるところは多くなりました。
一応、板として存在できるレベルです。柾使いの引き出し材ならば十分すぎるほどです。
今年の製材も終わりが見えてきました、黄蘗(きはだ)↓
小径木の目が粗い丸太です。
黄色が鮮やか、眩しいっ。
おっと、こちらも思っていた以上に良い板に↓
末の枝分かれ以外は節が見当たりません。出来栄点はほぼ満点。
楠と黄蘗はこんな感じ↓
いよいよ最後の桜です。
曲がりがきついので、途中で切断されています。
そもそも小径木だし、表面の見た目は悪いしで、あまり期待できません。
積み木くらい細かく材をとるなら問題ないでしょう。
最後だし気楽にいきましょう。
あれ、内側からは節が出てこないや。
写真はとれませんでしたが、この材料も出来栄点が満点に近い丸太でした。
今年の製材は総じて成績が良く、事前予測よりもだいぶ良い素晴らしい結果となりました。
使うのが楽しみな板も多く、重くて辛い木を積む作業もいくらか気持ちが楽になります。
毎年こんな感じだったらいいのにと思うような一日でした。