山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

とんでもなく暑い日が帰ってきた

 

とんでもなく暑い日が帰ってきました。

説明も不要のこの辛さ…。

そんな中、今日はムラの行事のお祭りで焚き上げがあったので、消防団で3時間くらい炎天下に出ていました

栗のスツールは本実を突き終わりました↓

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表に見えては不細工なので、突き通したわけではないから、突いたというより機械で「掘った」。

写真のように座面に使うこの板は3枚矧ぎです。

そののち、帯鋸で真ん中を下げるように挽いて両端を立たせます。

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ちょっとずらして矧ぎ合せているのは意匠です。

今回のこのスツールは「てきとうに作ったようなラフな感じ」を基調にします。

座面やそのほかのパーツはできるだけ鑿(のみ)で斫(はつ)ります↓

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斫るところばかりで、恐らくはこの手間が今回のスツールの3分の1くらいになるでしょう。

一方で、衣装箪笥は鏡板と背板の捨て摺りが乾きました。

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なので、サンドペーパーで研いで表面を滑らかにします。

そののち、拭き漆↓・・・ペタペタ、フキフキ・・・

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この拭き漆を今日しましたが、これが暑いのなんのって。

今日は雷が鳴っていました

パソコン教室もだいぶ行きまして、先日は3次元をちょこっとだけしました。

もちろん、うちで3次元CADを持つにはコストがかかりすぎますし、そもそもそんなものの活躍の場がないので、本格的には学習しません。お遊び程度。

でも、3次元CADも面白いね、いろいろできるし。

そして、今やっている私の描く2次元CADの図面(ある程度単純な家具類くらい)は「小学校4年生レベル」だということも気が付きました。

これくらいの図面は世間的には造作のない難易度のようです。

はぁ~、何事につけ、ちょっとできるようになったくらいで、できた気になるのはいつもながら恥ずかしいことです。

・・・もっと見識と経験を積みましょう。

制作の方ですが、埋木(うめき)をしました↓

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天板に蟻桟(ありざん)を打ち込んで、その入り口(背側だけど)に「すぽっ」っと嵌め(はめ)ました。

もちろん、この後に木端(こば)を面(つら)にしました。

一緒に漆部屋にいた柱などの部材は光沢がいまいちだったので、もう一度拭き漆をすることにしました。

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これで捨て摺りから含めて5回目です。もうこれでいいでしょう。

鏡板・背板の木地もようやく完成しました↓

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こちらも拭き漆です、・・・ペタペタペタ、フキフキフキ・・・

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この拭き漆をしているとき、とても雷が鳴っていました。

捨て摺りは漆をよく吸うし、刷毛での伸びも悪いので、いつもながらしんどいです。

特に、薄板は表面積が大きくてがっかり(漆がすぐなくなる…)です。

板を矧ぐ(はぐ)ときに、本実矧ぎでやっていますが、手間がかかるのがこの作業↓

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矧ぎ面の面取りをすることで、合わさる部分に「品」が生まれる(と自認している)のですが、これが手作業でしかできない…。

ということで、こちらの部材は扉の鏡板用↓

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扉と引き出しの制作は躯体が組み上がってからにしますが、手間のかかる作業は時間のあるうちにしておきます。

まだまだ、拭き漆をしたものは漆部屋でお休みしていなければならないので、次の制作を始めます。

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スツールを作りますが、その座面用の厚板の寸法取りをし始めました。

引き続き、栗を削る毎日です。

薄板と溝と接着

先日、制作に気乗りせず、ネットサーフィンをしていると「パワーウィンドーのスイッチの直し方」というページに行きつきました。

早速、R2の調子の悪いスイッチをいじってみると、直りました。

制作は進まなかったけど、ケガの功名。

鏡板・背板の制作が続きます。

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機械で薄板を作り、溝を突いて、そして接着という作業の繰り返しです。

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↑こちらは背板。

側面の鏡板もそうですが、管柱の間隔が狭く、幅300㎜に満たないほどで、溝も十分深さを突けるので、本実部は接着しています。

もし、柱間のスパンがだいぶ離れていたら、接着せずに「あそび」を付けておくところですが、今回はその必要がありません。

躯体の方は4日前だったかな、空研ぎをしてケバを取りました。

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そのあと、拭き漆をして・・・

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今日もしたので、捨て摺りを含めて3回したことになります。

数がまとまるわけではないので

CADのソフトの検討はまだまだしています。

『Dr〇ft Sight』のトライアル版を試してみました。

図面を制作するのに、『Aut〇 CAD』と勝手は違うところがあるものの、問題なくかけます(2次元の話だけど)。

ノスタルジー漂う見た目は悪くはないのですが、いまいちモチベーションが上がりません。

パソコン講座で『〇j CAD LT』を紹介されて、先日からそちらのトライアル版を使ってみています。

こちらは『Aut〇 CAD LT』と全くと言っていいほど同じで、インターフェイスもわかりやすくて好感が持てます。

イニシャルコストはちょっとしますが、サブスクリプションを考えると『Dr〇ft Sight』よりもだいぶ私好みのような感じ・・・。

もう少し試してみて、結論を出しましょう。

栗の衣装箪笥は躯体が漆部屋で休んでいる間に、その他の部材を作っていきます。

桐は表面を削って、矧ぎ合せていきます↓

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桐の仕上げは鉋(かんな)が定石なので、慣れない鉋で仕上げます。

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鉋もたまに使うといいものです。

その他の部材もサクサクと作りたいところですが、箪笥1棹なので、それぞれの部材も数がまとまるわけではありません。

1つ1つ違う部材を作るのは、特に機械作業の効率が上がらないところです。

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↑こちらは棚板になるものです。

栗の薄板の側面に凸凹を突いて、本実矧ぎにします。

天板と違って、突き通せるので、事故に注意することを除いては楽ちんです。

同じように板に溝を突いたこちら↓は側面の鏡板。

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表から見えるところは少し凝って、鑿で斫り目を付けます。

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真ん中左の板のように斫り目とフラットな面を合わせる意匠を採ってみました。

ということで、♪これから一緒に、これから一緒に、名栗(なぐり)にいこうかぁ~

背板や扉に使う薄板が足りないので、次の作品の材料をとるついでに挽き落としをとります。

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木材小屋から栗の杣(そま)を出してきて、チェーンソーで玉切り。

・・・ブウィーーーン・・・

ネギの植え替え

新しい冷蔵庫が来ました。

庫内の照明がLEDになって、前のよりも随分と明るく、思わず、「目が~・・・、目が~・・・」とリアクション。

キャパが2倍以上になって、とってもうれしいな。

今日はネギの植え替えをしました。

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数年前まで、ネギはきちんと干していたのですが、9割くらいが干しネギにならずに中身がなくなって腐っていました。

もう干すのは諦めて、抜いてすぐ植え替えています。

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嫁さんと手分けして植えました。

100本くらいあるのかな。全部生き残れるといいなぁ。

畝たてをして、ダイコンも蒔きました。

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いつものように、秋冬ダイコンは『耐病総太り』。

時期をずらしてあと2回蒔く予定です。

先日の台風は当地では大したことはありませんでしたが、やはり野菜にとっては受難だったようでキュウリは傷だらけです↓

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「額の向こう傷」ではなくて、全身傷だらけのキュウリです。

バジルは花が咲きました↓

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もともと夏の短い地方の香草だけあって、バジルの生長は早いですね。

奥のツルムラサキは、ようやくのこと、わき目が出るほどに株が大きくなってきました。

だんだんと涼しくなっていってしまいますが、末永く頑張ってほしいところです。

大きいものの拭き漆はたいへん

雨がちの天気になって、明日には暑さも一段落するそう。

すごしやすい秋の到来が待ち焦がれます。

栗の衣装箪笥の仮組みをようやくのことで解体して、装飾的な加工に入ります。

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天板と同じように、鑿で斫り目を付けていきます。

鏡板や背板を作って入れたいところですが、それらを入れて仮組みをすると、当て木で叩ける部分がなくなります。

下手に傷をつけてもいけないので、もう仮組みはせずに、先日の仮組みで鏡板や背板の寸法をしっかりと確認して次に進めます。

栗はやややわらかいので、サンダーで強く磨き過ぎると木目で波打つかもしれないので、フラットな面はいったん仕上げ鉋を掛けます。

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仕上げに鉋を掛けるのは久しぶりだなぁ~。

そして、サンダーをあてるのは最小限に留めます。

・・・ブウィーーーン・・・

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いよいよ黒漆による拭き漆。

・・・ペタペタ・・・

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・・・フキフキ・・・

比較的小さい部材でも60㎝くらいあるので取り回しづらいですが、天板は大きさだけでなく、重量もあるのでとてもやりづらい…。

・・・ペタペタ、フキフキ・・・

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ムロがいっぱいになりました(天板はお外です)。

一方で、その他の部材の制作も始めていきます。

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これは引き出しに使う桐材です。

これからもこの桐材を矧ぎ合せたり、鏡板・背板の栗の板の寸法をとったりといろいろな作業があります。

ここまでで全体の4割くらい進んだところでしょうか。

一人じゃたいへんな仮組み

一昨日、台風が過ぎ去りました。

例によって消防団で出ることになりましたが、幸いにも、当地は一時間くらいざっと降ったものの、大雨が長く降り続くことはありませんでした。

しかし、40㎞くらい東に離れたところでは、府道が通行止めになるほどの大雨が降ったようで、自然の脅威を感じます。

昨日・今日は再び暑くなり、秋が待ち遠しいところです。

そんな中、今日は嫁さんのご先祖さまの墓参りもして、お盆ウィークを締めくくりました。

制作の方はというと、「直交モード」で寸法取りや仕口の加工をし続け、躯体の部材の基本加工が終わりました↓

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背板・鏡板の溝も突いて、仮組みです。

・・・コンコンコン・・・

・・・と、仮組みの途中で溝を一部突き忘れていたことに気が付き、昇降盤で突き通して再び仮組み。

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 組み立てていくと、だんだんと大きくなっていって、一人では取り回しがしづらくなっていきます。

・・・コンコンコン・・・

持つところと自身の腰に気を配りながら、木枠を立てて、天板を載せます。

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ようやくの体で仮組みができました(ちなみに高さは165㎝くらい)。

衣装箪笥ということで、上の開口部は開き戸で中に衣装ポールです。

下段は引き出しが並んで2杯、全体は黒いシックなものになる・・・はず。

明日から、溝の兼ね合いや背板・鏡板の寸法の最終確認をして、装飾的な加工に移ります。