山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

大きいものの拭き漆はたいへん

雨がちの天気になって、明日には暑さも一段落するそう。

すごしやすい秋の到来が待ち焦がれます。

栗の衣装箪笥の仮組みをようやくのことで解体して、装飾的な加工に入ります。

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天板と同じように、鑿で斫り目を付けていきます。

鏡板や背板を作って入れたいところですが、それらを入れて仮組みをすると、当て木で叩ける部分がなくなります。

下手に傷をつけてもいけないので、もう仮組みはせずに、先日の仮組みで鏡板や背板の寸法をしっかりと確認して次に進めます。

栗はやややわらかいので、サンダーで強く磨き過ぎると木目で波打つかもしれないので、フラットな面はいったん仕上げ鉋を掛けます。

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仕上げに鉋を掛けるのは久しぶりだなぁ~。

そして、サンダーをあてるのは最小限に留めます。

・・・ブウィーーーン・・・

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いよいよ黒漆による拭き漆。

・・・ペタペタ・・・

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・・・フキフキ・・・

比較的小さい部材でも60㎝くらいあるので取り回しづらいですが、天板は大きさだけでなく、重量もあるのでとてもやりづらい…。

・・・ペタペタ、フキフキ・・・

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ムロがいっぱいになりました(天板はお外です)。

一方で、その他の部材の制作も始めていきます。

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これは引き出しに使う桐材です。

これからもこの桐材を矧ぎ合せたり、鏡板・背板の栗の板の寸法をとったりといろいろな作業があります。

ここまでで全体の4割くらい進んだところでしょうか。