山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

省力化のために

昨日の朝は積雪で一面が真っ白でした。そして日中も雪が舞う空模様で、本格的な冬の訪れを感じさせます。

寒気が入るという天気予報を聞くたびに、ネギが折れてしまわないか気になって仕方がありません。

年末年始までどうぞ大雪や極端な低温になりませんように。

そして、収穫作業がしやすいように年末年始は暖かでありますように。

ここにいる肝と心が小さい個人事業主はこの時期、来年納める消費税と所得税と住民税が気になって仕方がありません。

何も「○○万円の壁」ではなく、私はどちらかというと養老の滝先生の「××の壁」の対象の方なのですが、それでも先の諸税を合わせると何割かになるので、世の中の商品に割引シールが貼ってるような感覚にとらわれます。

ちなみに、健康保険料(税)が入っていないのは「社会保障と税の一体改革」による適用範囲の拡大を受けているような働き方をしているからですよ。

このようなことを書くと、単に「自営業の特権的節税」と違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、設備投資は早い方が投資効果は大きいわけですし、消費循環を早く大きくするという面から見ても社会的にも経済効果は高い仕組みです。

誤解を恐れずに言えば、ふるさと何とかよりもよっぽど健全なシステムと思っています(もちろん、健全なやり方で活用すればという意味です。いわゆる「会議費」「交際費」や贅沢品などには使いません)。

そんなわけで年末が近づくと、財布の中では渋沢栄一さんが微笑んでいないのにも関わらず、いろいろと買ってしまうわけです。

そして、買ってしまったのがこちら↓(写真はKUB〇TAの倉庫で撮らせてもらいました)

わ~い。マルチを敷く管理機で~す(もちろん、普通のロータリーも買っていますよ)。

見ての通り、灌水チューブを埋入できるオプションも付けたので夢が広がります。

この手の機械は汎用性が高い(様々な農産物の生産で利用されるため生産台数が多い)ので、農機具の中ではお値段が高くないのですが、それでも契約をするときには勇気がいりました。

サンタさんからおっさんへの、そして自分へのご褒美と思って、KUB〇TAの営業のお兄さんが差し出すタブレットにタッチペンでサインをしました。

・・・はい、小心者です。

この機械のおかげで、来年はマルチを敷く労力と時間がおそらく5分の1くらいに短縮されます。

そして、今使っている爪の接続部が歪んでしまったくたびれ管理機(只今、修理中)の心配をすることもなくなります。

欲を言えば、ネギの土寄せをもっと楽にしたいのですが、水田転作なので、まあ、これはもっと投資が必要かなあ。

今後のことはともかく、まずはこんな貧乏人が新品を買ったことに驚いてください。

それともう一つ農作業に関連して買ったのがこちら↓

同じく、KUB〇TAの営業所で写真を撮らせてもらいました(どちらの機械も持って来てもらうのは来年です)。

これが何をする機械だかわかる人は、家庭菜園という街を出てモンスターを狩りに出た人でしょう。

そうです。自走式の薬を撒く動力噴霧器です(マルチスプレーヤーというのが正式な名前らしい)。

まあ、こちらはおっさんにお似合いの中古品ですが、それでも新品の3分の1のお値段でした。

この機械との出会いは「魔物使い」に転職したかのようなドラスティックな展開でした。

これまで2反8畝という狭さとはいえ、手動式の背負い噴霧器で農薬を撒いていたのですが、さすがにこれは違うだろうと思っていたのです。

わかる人はわかるでしょうが、いや、よくやっていたなと思います。

そのため、「薬散布装備もレベルアップしたいなあ」と。

充電式もあるとはいえ、背負い式の動噴じゃあ結局1回15リットルだから変わらないし、ホースを伸ばしての散布じゃあ圃場がぬかるんでいると泥だらけになって億劫だしと、いろいろ思案していました。

そんな時に、先月行われたKUB〇TAの展示会。

きっと歴戦の猛者と化した農家さんが押し寄せている恐ろしいところだと想像していたのですが、会場がすぐ近くだったもので借りてきた猫のように背中を丸めて行ったのです。

そしたら何と、その中古品売り場でタイミングよくこのマルチスプレーヤーと遭遇。すぐさま捕獲したく、急いで購入を申し込みました。

希望者多数で抽選になったかどうかは知りませんが、購入の希望が叶って、先日、整備を終えたのです(ゴムクローラーが交換で新品になった)。

サンタさん、KUB〇TAさん、ありがとう。

これで、農薬の噴霧がこれまでのおそらく5分の1の労力と時間になります。

苗づくりや定植、収穫など、設備投資できていない作業はまだまだありますが、この2台の機械のおかげでずいぶんと省力化できます。

来年は、ボトルネックになるだろう「収穫」をもう少し改善し、作付けをいくらか増やします。