山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

今日の写真はぼやけています

なぜだか今日撮った写真はぼやけています。

見づらいですね。すみません。

欅の棚は水研ぎをします。・・・シャカシャカシャカ・・・

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大きな板ですが、フラットな面なので、そんなに手間はないですね。そんなに研ぎおろさないですし。

研ぎ終わるとこんな感じ↓

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水で濡れているので、全体が濃く見えますが、乾くと『パリパリチョコのバニラアイス』(←商品名はわからないや)みたいに見えます。

毎回思うのですが、拭き漆で研ぎをすると、なぜか春目部分の色がとても薄く、白く見えます。

色の濃い・薄いの目の錯覚ですね。

研いだ後は拭き漆をします、・・・ペタペタ、フキフキフキ・・・

フラットな面は2回拭き漆をしても研いでいるので、表情は整っても、漆はのっていません。

一方で、鑿(のみ)ではつった面はしっかりと研げるわけではないので、今日の3回分の「拭き漆」がのりました。

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やっぱり、写真がぼやけてしまってわかりづらいですね…。

すでに光沢が「まあまあ」あります。

もともと、刃物で「切った」面でもあるので漆が「のり」やすいですし、凸凹すぎるので拭き取りづらいのです。

ヘラヘラヘラ

欅(けやき)の棚はしっかりと漆が乾いたので、まずは研ぎます。

ミニサンダーで、・・・ブウィーーーン・・・

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さっさと作業を進めましょう。・・・ブウィーーーン・・・

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木目のところは色が残って、なんだか時代仕上げ。

漆部屋に戻って、再び拭き漆。

漆を配るのは今回もヘラヘラヘラ、・・・ペタペタ・・・

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そして、拭きます。ほんとにウェスをよく使います。

・・・ゴシゴシゴシゴシゴシ・・・

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そして、ムロの中でおやすみなさい。

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一番下の段の周辺があんまり気温が上がりません。早く暖かくならないかなぁ~。

 

ところで、ここ数日はこんなものを作っています↓

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小さな木の角棒の先に丸棒が付いて(埋めて)います。

何を作っているところでしょうか?さあ、みんなで考えよぉ~。

・・・でも、つまらないものです。がっかりしないで下さい(もともとそんなに期待されていないか…)。

いよいよ漆の仕事

欅の棚はお引越しして、今日から漆部屋が住居です。

大きさが大きさなだけに、漆の消費が…。

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大きくフラットな面が多いので、「ヘラヘラ」しながらやります。

大きなヘラで、引きつつ漆を伸ばして台付け。

・・・ペタペタ、スーーーーー・・・

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・・・ヘラヘラな仕事です。

そして、しっかりと拭きます。

・・・フキフキフキ・・・

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拭き漆は、なるべくならウェスに漆を吸わせたくないですね。

ウェスに吸わせた漆は活用されませんから、・・・さよなら、さよなら、さよなら。

まあ、研ぎが大半を占める塗りも同様ですか。

拭いたらこんな感じです(ピンボケですが)↓

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先刻からお気付きの通り、黒を混ぜています。

一方で、でこぼこしている面は厄介者。

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ヘラでは漆を配れないので、刷毛で行いますが、こちらの方が漆の消費が激しい…。

でこぼこに漆がたまったり、そもそも凹凸には木口が顔を出していたりするからです。

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・・・そして、ムロの中でおやすみなさい。

ちなみに、根来塗りの瓦型の「皿」and「銘々皿」は呂色が終わっていました。

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写真を撮る機会がなかったので、ここであげておきます。

ちょっと、写真の扱いがぞんざいですね。今度、改めてもっとよく撮影してあげましょう。

やっぱり、筋肉痛に・・・

昨日の慣れない台鉋の鉋がけのが、やっぱり今日の筋肉痛に・・・

鉋がけは普段とは違う筋肉を使うので、毎度のことではあるのです。

今日はサンドペーパーがけ、いよいよ木地の完成です。

ミニサンダーで・・・ブウィーーーン・・・

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↑あら、おじさんの汚い手しか写っていない。

鑿ではつったところは「ささくれ」がなくなるように、軽くペーパーを当てます。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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やりっぱなしと装飾とは違うのですよ。

お客様が怪我をされたらたいへんですものね。

同じく、面取りもサンドペーパーで済ませます。

・・・シャカシャカシャカ・・・

木地が完成して、めでたしめでたしですが、気温の高い昨日今日で漆をしたかったなぁ~。

久しぶりな気がする

仕上げには鉋(かんな)を使います。

台鉋を使うのは久しぶりな気がする…。

まずは、使う前に台の調整。

台直し鉋で・・・ガリガリガリ・・・

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・・・台の調整に予想外に時間がかかってしまいました。

そしていよいよ、板を削ります。

・・・シャーッ、シャーッ・・・って音が出ればいいよね。なかなか難しいものです。

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鉋がけは板が大きいと全身運動です。

特に台鉋は鉋自体の重さもあるので、それを取り回すだけでも腕がパンパンになります(だからいつも小鉋を使っていました)。

・・・シャーッ、シャーッ・・・

仕上げ鉋をかける一方で、鑿(のみ)ではつる面も作ります。

・・・コンコンコン・・・

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やっぱり、こちらも板が大きいと体力勝負の仕事になりました。

・・・コンコンコン・・・

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↑こんな感じで、鑿で「なぐり」ました。

そして、最終の仮組み。

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遠くからの写真ではわかりませんが、前回の仮組みと比べて、だいぶ表情が出ています。

先ほどの鑿ではつったのは側板でした↓

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今はまだ塗装前なので凸凹が淡白な感じもしますが、黒漆で拭き漆をすると力強くなるでしょう。

本当は今日中にサンドペーパーがけまで進みたかったけど、ここまででした。

う~ん、やっぱり手が遅いかなぁ…。

欅の棚の仮組み

今日も引き続き、送り蟻の加工

・・・ザクザクザク・・・

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板を立てては戻しを繰り返して、4箇所すべてあわせていきます。

・・・ヨイショ、ヨイショ・・・

そして、仮組み↓

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こんな感じ…、面取りなどをしていないので、ぶっきらぼうですね。

そして、小さく見えますがそれは作業台の上だからでしょう。

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横幅は110cmあります。8畳くらいの和室では圧迫感があるくらいかな。

なお、下段の棚板の下には貫を入れました。

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棚板の2枚だけでは横からの歪み加重に耐性が低いので、当然の配慮ですね。

そして、靴・・・もとい、畳摺(たたみずり)も履かせました。

仮組みをしたのは、面取りなどの様子を見るため。

先述のとおり、このままでは「ぶっきらぼう」なので、側板の木口(こぐち)、つまり上面(うわつら)などに傾斜をつけます。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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やはり、木目の細かい欅(けやき)は削りやすいですね。

木口でも、気持ち良く鉋屑(かんなくず)が出ます。

そして、今回の棚はより力強い装飾的加工をします・・・が、それは今度のお楽しみ…。

引き続き、送り蟻です

今度は枘(ほぞ)、つまり凸の方の加工です。

図を見ながら、長さを間違わないように罫書をします。

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そして、加工。鋸(のこぎり)と鑿(のみ)を使って蟻になる部分を作り出します。

・・・ギコギコ、トントン・・・

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そして、傾斜をつけます。

・・・ギコギコ、トントン・・・

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・・・ほら、できた。別段、そんなに難しい作業ではありません。

今回は四箇所ということで、それぞれ加工していきます。

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まあ、すべて同じ寸法なので、迷うようなことはありませんね。

♪ I have a  凸~、I have a 凹~、う~ん、あ゛っ、・・・送り蟻

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・・・って、そんなにすぐははまらないです。

「利かせる」ためにきつめに作ってあるので、はめて様子を見ながら、鑿で削って修整して、印まで来るようにします。

これが、単純ではあるのですが、部材が大きい分、手間がかかります。

罫書と加工とで何十回も板をひっくり返しているので、結構な運動になっています。

4、5回くらい様子を見ながら修整し、写真のようにしっかりとはまるようにします。