山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

葉枯らし

なんだかここ数日は暖かくなってきました。

暖かいと作業を始めるときには良いのですが、倒した原木の周りの雑菌さんが元気になるのはよくないのです。

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今日を入れてこれまで4日ほど山に入りました。

灌木や低木に蔓が巻き付いていると、片付けるのも一苦労です。

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蔓がこんがらがって、チェーンソーで玉切りしたつもりが繋がって団子になっているのです。

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たまに、チェーンソーもこんがらがっています。

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雑木の山にはいろいろな木が生えています。

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木を倒す方向の低木・灌木を片付けて、ようやく目的の木を伐り倒します。

・・・ブウィーーーーンブウィーーーーーン・・・

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こりゃぁ、白太だらけのクヌギ、ホワイティ・クヌギと名付けましょう。

白太だよ、きのこ集合。シイタケ菌などの菌類は栄養の多い白太が大好物です。

今回伐った中ではこの木↓が一番太かったかな、尺二くらい。

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伐り倒した木は、目的の方向に倒れたり、倒れなかったりですが、谷に向かって倒れた木は飛んでいきます。

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結局、コナラ・クヌギを20本ちょっと伐り倒したでしょうか(周りの他種の低木を含まず)。

平均すると太さは30㎝くらいでした。

多くの木はシイタケの榾木としては太すぎるので、大枝を原木として使います。

う~ん・・・、特にコナラは30年生、25㎝くらいを超えると樹勢が穏やかになり、虫が入ります。

そのため、雑菌にかかり、立ち枯れとなることも多いのです。

放っておくと、落ち葉や枯れ木などで山としては栄養価が高くなりすぎて、植相も変わっていきます、蔓もはびこりますし。

本来、20年生くらいまでで伐り倒して、ひこばえを出してゆく「更新剪定」をすることによって、里山は維持されているのですよ。

それにしても今回は立ち枯れを片付けたのも多かったなぁ。

伐り倒す作業は今日で終わり、年明け2月に玉切りして出します。

晩秋・初冬に伐るのは「葉枯らし」といって葉をつけたまま倒し置くことで、原木中の水分を抜くためです。

とは言っても、少し時期が遅いのですでに葉がないのもあります…。