山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

手鋸(てのこ)で切る

大雨は困りますが、久しぶりの雨が降っています。

野菜と雑草が大きく生長することでしょう。

三角スツールの座面は厚みを決めて、形をとっていきます。

いざ切ろうと思ったら板の癖が強くて、丸鋸がとてもしんどそう。

では帯鋸で切ろうと思ったら、やっぱり癖が強くて刃を噛んでしまいました。

いわゆる「アテッキ」ってやつね。

丸鋸焼いても困るし、帯鋸の刃の腰を折っても困る(どちらも1回1万円以上の出費)ので、手鋸で切ることにしました。

厚みが決まって寸法的な余裕もないので、チェーンソーも使えません。

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・・・ギーコ、ギーコ・・・

う~ん、同じ目の粗さの木でも、もっと性の良い木であれば加工もすんなり行けたと思われます。

丸太で仕入れると、その乾燥のために使うのは1年以上後になります。

つまり、仕入れの反省をするのがずっと先ということ。

試行錯誤の繰り返しで仕入れもうまくなっていくものでしょうが、その経験値を得るのは気の長い話です。

私のように誰かについて勉強したわけでも、代々木工所を営んでいたわけでもない人間は、この部分での「熟練」が得られにくいのです。

同業者の皆さんと比べて、勉強していかなければいけないことはたくさんあるなぁと感じます。

手鋸で3時間近くかけて20箇所を切ったら、帯鋸で廻し挽きして荒取りします。

そして、形を整えます。

・・・

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ようやく、形が整いました。

さてさて、寸法が決まったので、これから墨付けにようやく入れます。

冒頭の雨のおかげで、そこら中に小さなカエルが大量発生しています。

この時期の風物詩。車で走ると滑ります(かわいそうだけど)。

ドアを開けていたら、作業場の中にも入ってきました。

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何やら会議中のようです。