木工を習い始めのころ受けたある先輩からのお話・・・
「ものを作る上で、もっとも基本的なこと。例えば、子供用の積み木を作るとき、1辺3cm以下のものは作ってはいけないと考える、これはごく自然なこと。もし、仮にそのようなことも自ずとわからないのであれば、ものを作るのはやめるべきだ。取り返しのつかないことになるかもしれないし、もともとそんな配慮もできない人間であれば、それ以前に機械で大きな怪我をするだろうよ。このことは飲食店が食中毒に常に気を配るのと同じことで、デザインがどうだとか、技術がどうだとかという前の、ものを作る上では『前提』。」
私はいつもこの言葉につきあたる。
私の経験と推察ではわからない不都合が実際に作ってみてわかったスツール。
それも作り直して、再び仮組みをしました。
座面の高さと接地点の位置
「とっても低いスツール」の最大値
「とっても低いスツール」の最小値
「とっても低いスツール」はその対象から最大値は「プラス」になることが当然で、最小値もなるべく「プラス」もしくは「0」に近づくのが好ましい。そのため、この高さだけ座面の形がシャープになった…(要検討含む)。
「低いスツール」の最大値
「低いスツール」の最小値
「低いスツール」はある程度不安定な座り方をしても大丈夫なように接地位置を考える。
「高いスツール」の最大値
「高いスツール」の最小値
「高いスツール」になれば、「座わり方」を過度に意識するよりも「足を引っ掛ける」ことも考え、かつ視覚的にもすっきりしたものになるように。
「とっても高いスツール」の最大値
「とっても高いスツール」の最小値
「とっても高いスツール」は使用者が狭まってくるので、意匠をある程度重視。
もちろん、脚の転がしの角度に関しては適宜適切なものを考える。
また、座面は上面の面取りを大きくすることで、視覚的な使用者の誘導等を意識した。
なお、椅子に関しては5年ほど前の「ニ〇リの椅子訴訟」も思い起こされる。