山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

刃物に禁物なこと

この前、木地を作った器ですが、捨て摺りをやってしばらくしたら反りが出て「すわり」が悪くなりました。

底を削って直すしかなくなったので、豆鉋で加工します。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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でも、捨て摺り後なので、サンドペーパーをかけた後です。

そのため、鉋刃の切れ止むのが恐ろしく早い…。

切れなくなるたびに、何度も何度も刃を研ぎなおさなければいけません。

・・・シャシャシャ・・・

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削っては研ぐの繰り返しです。

底が直せても全体の形がくずれてしまっているので、それもやり直します。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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木が動かなければこのようなことをする必要はありませんが、そうもいかないのです。

もちろん、反りによる変形を極力避けるために、材料の選定や木取りの吟味、荒彫り後や小作り(仕上げ加工)前のシージングを十分とすることが重要です。

しかし、「木の気持ち」がまだわかっていない私は、木が動いてしまってからどこが悪かった・拙速だったかを思案する毎日です。