山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

杉と桧の香りが結構つらい

桧天板の片袖机はとりあえず、時間のかかってしまう作業から始めています。

すなわち、側板・背板にする矧ぎ板の接着です。

というわけで、杉と桧をただひたすらに仮の厚みと幅を出して矧ぎ合せていきます(ハタガネが少ないの…)。

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結構な量の杉と桧の鉋屑(かんなくず)・おが屑が出るので、その香り、もはや匂いがつらいです。

少量だったら、アロマ的なヒーリング効果ですが、何事も度が過ぎると・・・ね。

そんなここ数日ですが、今日は市に行ってきました。

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抜けるような青空の下、出品数が少なくて残念だったけど、気分もすがすがしく競りに参加です。

今日、落札したのはこの椎(しいのき)↓

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きのこに夢中だからってシイタケつくるために椎を落としたのではない・・・たぶん。

木工で椎を使うことはほとんどありません。

恐らく、用材として樹種自体に難があるためと思われますが、どのような「難」だか私はわからないので、買ってみて勉強してみます。

競りでも値は低いし、これで用材にできたら、経験としても木の運命としても、良いなあと思います。

もちろん、椎の中でも「性のよさそう」な丸太を選んでのお買い物ですよ(消費税も上がったし)。

それと、写真はありませんが小さなミズナラを1本買いました。

ホントに小さいので、白太と芯とを除いたら僅かになってしまいそうです。

まあ、どちらも製材してからのお楽しみというところでしょうか。

片袖机に使うメインの天板も桧も用意していきます。

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なるべく柾で取りたかったのですが、板目にかかってしまっています(本実で少し隠れます)。

矧ぎ板の枚数が増えるとかっこ悪いし、板目にかかると全体の品質に影響するしで、悩みどころです。

幅の広い柾板が使えればいいのですが、当たり前のことながら、きれいな柾板をとるにはその3倍の丸太の直径が必要なのです。

なかなか、いろいろと難しい…。

本実も加工し始め、凸ができました↓

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片袖机の合間を縫って、いま拭き漆をしている栗のスツールの貫で使う楔(くさび)を作りました。

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拭き漆をした時に黒くなって周辺になじむようにウォールナットの楔です。

機械を動かす都合上、今後の制作分(5年分くらいか?)を含めた量を作りました。