山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

靴を履くときのイス

♪なんてなめらか~、なんてなめらか~

バンドソーで荒取りした部材をハンディールーターで滑らかにします。

・・・ウィーーーーーン・・・

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大部分のパーツが形になってきました。

・・・そういえば、座面。

本実(ほんざね)矧ぎにするために、厚み・巾・長さを決めて、凹凸を加工します。

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送蟻実(おくりありざね)にしようかとも思いましたが、板のそんなに厚くない(40㎜)と素材が「サクい」ので、諦めました。

ちなみに、凸の幅は25㎜をとりました。

そして、接着します。

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尺上(しゃくがみ)の2枚矧ぎで65㎝くらいの幅の座面です。

肘掛けの高さ方向も加工します。

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下の貫の長さを実寸で確認するため、ここまでできた部材を仮組します。

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おっと、仮組に思わぬ時間がかかりました。

肘掛けの枘の胴付(どうつき)の角度と長さを調節するのにものすごく時間が…。

写真の座面の幅が広くて、同じく高さが結構低いのはもともとの設計です。

今回は「靴を履くときのイス」という問題意識の元、取り組んでいたのです。

だから、その動線等を考えてきました。

実寸で確認出来たら、最後の枘組みの部材の貫を加工します。

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縦方向の貫との仕口がカーブを描いているので、胴付部はそれを意識して加工しました。