山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

床はいいけど、屋根がね・・・

シイタケの榾木をせっせと伐り出していましたが、本業はたぶん木工やです。

厨子はほとんどの「骨」が出来て、一番上までいきました。

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底板はこんな感じで入りました↓

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なかなか上手くいったのではないでしょうか。

写真左の柱と床板の関係、軸組みの床の野地板(のじいた)ではこんな感じで納めて、巾木(はばぎ)で壁と柱の前面(まえづら)を合わせて畳を入れますが、柱に横溝を入れて直接薄板を差し込むのは家具ではあまりしませんね。

というのも、チェストなどの比較的大きな脚物(あしもの)でも四隅に脚があるのが基本で、通柱(とおしばしら)が内側にあることは稀なのです。

一方で、屋根はなかなか想像通りにはいきませんでした。

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はつって表情をつけるのはまあまあかなあと思いますが、屋根に重量感がほしいところでした。

建築の屋根は檜皮(ひわだ)にしろ、板葺(いたぶき)にしろ、瓦や茅にしろ、「上に重ねていく」造形なので、重量感が生まれます。

家具では天板は板のみにするか、框(かまち)ないし支輪(しりん)を差し回してやはり板を入れます。

今回はその中間を狙ってみましたが、造形としてあまり活きませんでした。

やはり、家具で屋根を作る場合は、厚板を削り出すことで反りを強めに入れて、全体の高さに対してボリューム感を出さなければならないのかもしれません。