山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

朴は加工しやすいです

たまには「(私なりにですが)しっかりした塗り物」を作りたくなった、というか、そろそろ作り方を忘れてしまいそうなので、作ってみましょう。

朴の木を木地にします。

・・・ゴンゴンゴン・・・

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やっぱり、朴は加工しやすいです。サクサク加工できます。

・・・ゴンゴンゴン・・・

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1尺弱なのでそんなに大きくないですが、深さ(高さ)をある程度待たせてあります。

外輪に高低の変化をつけてみたいのです。

二次元の造形は紙で描いても想像できますが、三次元的展開はやはり加工を通して勉強しなければなりませんね。

頭に描いている造形は上手く形にできるでしょうか。

 

塗り木地(ここでは本堅地の意味ではなく、塗り物一般の意)にし、用途が「普段使い」であれば欅(けやき)などの硬い木が適していると思われます。

ただ、木工をやっている人間として、木目などに特徴のある木が漆の下に隠れてしまうのは寂しいとも思っています。

今回は、加工しやすいという利点と導管を埋めなくていいという利点、「普段使い」ものではあまりないということもあって朴を使いました。

しかし、朴も大径木が少なくなって、「大きな木地」に適したものが少なくなってきました。

今後はこのような塗り物の木地を何で作りましょうか…。