山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

今日から体力的につらい仕事の始まりです

まずは昨日の続きの製材所から引き上げてきた「その他」の山の片付け。

チェーンソーで薪サイズにしていきます。

・・・ブーーン、ブーーン、ブーーン・・・

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すべてをばらばらにしました。

この山の中から、「腐った欅」のこぶの部分が出てきました↓

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このようなワイルドなバール(こぶ杢)は私の作風ではないのですが、好きな方もいらっしゃるのでとっておきましょう(乾いたら長方形にでもして拭き漆で仕上げたらきれいかな)。

ところで、ニッキですが、木口の接着剤の乾きが遅いのです。

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欅のような環孔材とは違うのでそのせいでしょうか。それとも接着剤や塗料との相性が悪いのでしょうか。まだまだ分かりません。

とりあえず、木を乾かしておくところを確保しました。

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大引きのようですが、小屋を作るわけではありません。

屋外(後に屋根はつけるけど)で地面が土なので、地盤から40cmほどあげておきたいので、こんな感じになりました。

表題の「体力的につらい仕事」というのはこれです↓

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皮をはぐ作業です。

皮剥ぎ機でもあればいいのですが、そんな高尚なものはないので、割り斧で人力で行います。

なぜ皮をはぐのか?

それは皮は虫さんにとって住み心地の良い大家族向け好物件なのです。

正確には皮と白太の間ですが、ここに虫が生息しやすいのです。

そして、そこから白太、場合によっては赤身まで侵食してしまいます。

また、皮をはぐのは腐食に対しても有効です。

少しでも木材がいい状態で乾燥できるように皮をはぐことはたいせつな作業です。

虫さん、この木は乾燥した住み心地の悪い物件ですよ。

まずは桑から行います。

・・・コンコンコンコンコンコン・・・

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桑ははがしやすいようなはがしにくいような・・・

・・・コンコンコンコンコンコン・・・

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残念ながら、中心が大きく割れてしまっている板もありました…。いい板目だったのに…。

手前の節の部分が原因かな。丸太の見極めや製材の木取りについて勉強になります。

・・・コンコンコンコンコンコン・・・

下の写真が作業場の様子です。

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・・・コンコンコンコンコンコン・・・

次はニッキ

・・・コンコンコンコンコンコン・・・

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これははがしづらい・・・。

皮の部分がもろくてさくく、べりべりとはがれません。

斧で削っている感じです。一打ち一打ちずつ進めていかなければなりません。

・・・コンコンコンコンコンコン・・・

生の板は重いし、皮はなかなかはがれないし・・・。

体力勝負のこの仕事はいつまで続くかな。でも早くしないと板がかわいそう…。