山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

ちょっと勉強・・・

思うところあって、ちょっと稜線(彫りの加工で盛り上がった線のこと)を勉強します。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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ここで言う稜線は多くは鉋(かんな)で出す線のことで、装飾的に用いるものです。

何度か作品に取り入れようと試みましたが、そのたびに思い通りにいかなくて歯がゆい思いをしていました。

素材との相性、全体との対比、縦に使うのか横に使うのか、稜線の高さ、曲線の具合などが思った通りにいったためしがありません。

同時に、木地完成時で見たときと拭き漆をしたときでは見え方が全く違って見え、勉強不足をつくづく感じます。

このように、数ものを作っているときとは異なり、全体の様子を見ながら修正しつつ作業するのもいいものです。

数ものではすでに形が決まっているので、その形が最短距離でできるように手を動かします。

一方で、このような勉強を兼ねているときは手を動かし、視点を変えて見て考えてを繰り返すので、得る所が大きいのはもちろんですが、突然とよい発想を得られることも少なくありません。

つまり、「ここをこうしたら・・・」とか「違う大きさだったらこうなるな」などのように考えることは作品・商品開発に直結しアイディアの財産となるのです。

まあ、机に向って図面を引きながらフォルムやディティールが練られたらよいのですが、元来、私は勉強嫌いでして机に向っても真面目に考えられない…。

でも、試しためしやっていると、線を直しなおしすることになるので、必然、豆鉋を使う機会が増え研ぎの回数も多くなります…。

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