山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

金具が来たので、手持ち開き戸を再開です。

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金具が来ました。といっても一昨日来たのですが、昨日は制作をサボって、将来について沈思黙考していたため、今日から手持ち開き戸再開です。

 

ところで、この金具、木部の材料より高くなってしまいました。写真の金具で100円の回転寿司で3回おなかいっぱいになります(まぁ、金具の世界では高い部類じゃないけどね)。

・・・でも、気にしません。

よく、材料が安かったからとホームセンターの金具をつける人もいますが、もったいないと思います。

このとき、考えなければいけないのは「付加価値」(ミクロ経済学の意味です)であると思います。

金具はエンドユーザーにとても近く、私は写真の状態で付加価値を加えていません。

一方で、木部は(写真はまだ完成はしていませんが)全体の付加価値の半分は私が生み出しているのではないでしょうか(まぁたいした付加価値にはなっていませんが)。

もちろん、立木を切る方(国の内外問わず)、製材する方、輸送する方など多くの方々・仕事には尊敬しています。

しかしながら、木部に対する私の仕事量は金具に対する私の仕事量の比ではありません。

その意味で、木部の材料費と金具の費用を同列にあつかって木部と金具を考えてはいけないのです。

金具は作品に最もいいものを選んであげましょう(自分で作れるに越したことはないのですが…)。

 

横道にそれました。

開き戸の框を作りました。とてもミニサイズです。

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腰を入れたり、馬で乗せたりしたほうがいいのでしょうが、今回は硬いイメージを持たせたいので、縦と横のわずかなチリ(段差のこと)を出すだけにしました(留という選択肢は上品になるのでありませんでした)。

松茸も作りました。丹波産です。

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・・・嘘です、定木口(じょうぎぐち)です。

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このように右の扉につけて、開き戸中央の隙間を隠すために用います。

左右の扉の木端(「コバ」、側面のこと)を欠き取り合わせる方もいらっしゃいますが、私はこちらの形式が好きです。

組み立てるとこんな感じです(マスキングしているのは定木口を接着しているためです)。

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