山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

金属ではなく、木の釘です

底板を切り間違って桐の合板を作り直した塗り木地もようやく元の作業まで復帰しました。

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接着剤で底板をくっつけ、固定します。

接着剤が5割ほど乾いたら穴をあけて木釘を打ちます。

本当はきちんと接着剤が乾いてからのほうが良いのでしょうが、待ち時間がもったいないのでさくさく進めます。

木釘は木で作った釘です。金釘(かなくぎ)では錆びたり抜けたりといろいろと不都合があるので、特に桐箱では木の釘を使います。

ちなみに、今回は塗り木地ですし、木釘を作るのが手間なのでつまようじで代用しています。

本来は空木(うつぎ・卯の花の咲く木)か桧(ひのき)がいいのです。

ただ、つまようじの場合、普通の錐(きり)で開けると穴が大きくなるので、小さい穴が開くように工夫しています。

なお、細かいことですが木釘の下穴にドリル刃は不可です。ドリル刃は切削してしまうので木釘を打った後に締まらなくなります。

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つまようじの先に接着剤をつけて金づちで軽くたたきます。

接合部なので、底板と側板に木釘が入ります。

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とげとげになりました。