山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

ちゃんと木工をしましょう

工房周辺の環境整理やクラフトフェアの準備などでほとんど制作が進んでいませんでした。

少しでも空いた時間を見つけて木工をしていきたいと思います。

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昨日、木取りした栗の板の耳(皮と白太の部分のこと)を落とし、写真のように表面を削ります。

その後、積んでおきます、今回は半月くらいかなぁ。・・・あれ、木工してない!?

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というのも、木取りをして大方の寸法にした場合、木が変形することがあるからです。

難しい表現をすると、「応力」が開放されるために動くのです。

耳付きで乾燥させた材料ならばなおのことで、白太(生前細胞が生きていた部分で水分・養分が豊富)と赤身(中央部の細胞壁だけになった部分で用材として活用)の収縮比などの違いによって乾燥中に変形したものが、耳を取る(白太を取り除く)ことでさらに変形することが往々にしてあるのです(もっとも白太が朽ちるほど乾燥させたら変形も少なくはなりますが相当の年月がかかります)。

そのため、木取りをしたあと、ある程度置いて様子を見たほうが無難なのです。

もちろん木の乾燥度合い、木目(板目・柾目)、厚み、悪(「あて」)、節の有無、木の種類などによって異なります。

・・・とはいえ、私も焦って失敗をするほうなのです…、木の気持ちをいつもはかりかねています。

 

栗の板には工房の隅のほうで横になって寝ていてもらって、この前切り間違えてしまった塗り木地の桐の合板を作りましょう。

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3plyにするので、桐の薄板に接着剤を塗ります。そして押さえます。

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残念ながら、うちにはプレス機がないのでクランプでの固定です。

精度の都合上、1尺幅までです(それ以下でも正確さが低下します)。

よし、固定もしたし、続きは明日、・・・あれ、やっぱり木工してない!?