山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

栃の金喰

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時計の切面を鉋で出していました。

そうしたら、栃の金喰(かねくい)にあたりました。写真のシャーペンで示した黒い点です。

金喰という言葉はおそらく地方や職人によっても表現が異なるので、同業者さんは「あのことかぁ~」とでも思ってください。

金喰は主に栃と楓(かえで)に見られます。

写真のように小さなものから、板の全面に模様のようにうかぶ大きなものまでさまざまです。色は主に黒から褐色、時おり白くなっているのも見られます。

写真のように小さなものなら拭き漆をすればわからなくなりますが、大きなものになると見た目のうえでも大きなマイナスです。

しかし、一番の大きな問題は刃物が傷むこと。

手鉋では刃がすぐ切れなくなります。さらには欠けることもしばしばです。

金喰は削ってもなくならないことが多く、仕上げの鉋をかけるときは難儀します。

大きなものはげんなりです。そのような材は極力買わないようにしていますが…。

おそらくは「偽芯(ぎしん)」(機会があれば説明します)と同じく細胞の異常増殖ではないでしょうか。

土壌中の成分によるものかそれとも木のストレスによるものでしょうか。

原因は不勉強で調べていません…。

表皮からではわからないでしょう。品位がなさそうな木は怪しいと思いますが。

切り口からならわかりますが、丸太のときは両端しか見えていないので中にあったら「こと」です。

栃や楓は丸太で買ったことがないです。怖すぎて今後もする気がありません…。

ということで、刃物を研いで制作再開です。

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