山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

植菌が終わりました

京都の桜は今日・明日咲くかなといったところですが、今日、今年の植菌が終わりました。

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全部で大小合わせて800本くらいでしょうか。

この1ヶ月に嫁さんと土日だけでやった割には良いペースだったかなと思います。

4t車1台分くらいの分量になっていますが、うちの榾木は少し短くしてあるので、本数にしてはボリュームが小さいかもしれません。

今年使ったオガ菌の容器の本数は以下の通りです。

白15本

濃い青10本

赤2本

濃い緑1本

黄色9本

黒5本

となりました。

他になめこを1本分植菌しました。

今日は朝からちょっとしたぎっくり腰(6割くらいの本気度の)になってしまって、最後の方は嫁さんにいろいろと助けてもらいながら終えました。

今週1週間は最高気温が高く18℃くらいで高かったものの、最低気温は放射冷却の影響で2℃くらいと平年並みかなといったところでした。

19黄色の浸水はあまりに気温が低いときにやって、気温が低い場所に置いておいたので、効果があまりなかったかなと思ったので、今週にもう一度やり直しました。

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写真は前回の浸水時に発芽したものですが、2つくっついてしまっています。

きのこの水分状態は生長散水で調節できますが、2つくっついたきのこは出た段ではどうしようもないので、浸水やそれ以前の休養の奥深さにまたひとつ勉強させられます。

あと、今週は19黒も浸水しました(自然水温、12時間)。

山で木を倒して榾木の原木を採りましたが、樹齢が高くなっているので幹の太さはシイタケ原木にはむきません。

しかし、山に放っておくのも折角の資源がもったいないと思います(伐り倒して整理した労力もあるし)。

そこで、今年はその幹の部分を薪にするべく、この1週間で長さを揃えて切って半割して山から出しました。

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山から出すのは容易ではありませんでしたが、何とか終えました。

この半割の状態で全部で15立米くらい(50石)あるでしょうか。

こちらも4t車1台を少し超えるくらいの分量となりました。

本職の方の10分の1くらいの分量ですが、いい小遣い稼ぎになるといいな。

薪にするには1夏越えさせなければいけませんが、そのためには遅くとも梅雨までには、出来ればゴールデンウィークまでには割り終えなければいけません。

自然をパートナーとする作業のため、時間に追われる作業が続きますが、それくらいの方が仕事がなかなか進まない私にとってはいいのかもしれません。

物流はどうなってしまうのだろう

新型コロナウィルスが世間を席捲しているために、世界中の人の動きだけでなく、ものの動きもどうなるかわかりません。

工場等の操業停止が多くのサプライチェーンに影響を与えて、わずかな部品・材料が足りないだけで製品が生産できないことも多いようです。

私はそこら辺の山でとれた木を適当に加工しているだけなので(とっても雑な言い方です)、そんなに影響はないのかもしてませんが、注文した材料・道具がしっかり届くか不安です。

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オスモオイルはドイツ製なのです。

まだ日本国内の在庫は十分でしょうし、向うの工場うんぬんの話は聞いていないので、供給は大丈夫と思いますが、やっぱり注文してから届くまで不安でした。

早く、この事態が収束していくことを末端の作り手からも強く希望します。

そして、その届いたオスモオイルでチェストの脚などを塗装しました。

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そういえば、このチェストの制作も〇ヶ月に差し掛かっているような・・・。

制作が滞っているのは材料が届かないからではなくて、作り手の問題…。

扉の加工もちょっとずつ進んでいます↓

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これは蝶番(関西では「ちょうばん」・関東では「ちょうつがい」と言うことが多いみたい)の彫り込みです。

ちょっとした手間ですが、見えがかりには大事なことですね。

ガラケーユーザーからのコペルニクス的転回

先日、嫁さんからスマホで私のブログを見ると新着記事になかなかたどり着けないとありました。

スマホを持っていない私には何のことやらわからなかったのですが、検索サイトで検索して行き付くページが「工房概要」になってしまい、そこから最新記事に行くにはずーっと下にスクロールして飛ばなければいけないようになっているのでした。

途中にある「人気記事」とかいう欄も古いページが並んでいます。

これじゃあ、折角検索してくださった人も最新記事を見ないまま、「更新していないブログなのかな」と思ってしまいさようならする確率がとっても高いです。

そりゃ、人気ブロガーなら隅から隅まで皆さん見てくれるでしょうが、一見さんをどうにか引き止めたい私のブログにはとっても不釣り合いで利便性が悪い…。

おいおい、これじゃあ、正札で商品陳列をやっている越後屋の隣で零細企業が躙り口(にじりぐち)からお客さんを捕まえるようなものだよ。

ブログの管理会社の提供するサービスの使い勝手はすぐには変わらないでしょうから、こちら側で何とかしなければいけません。

そこで、ブログアイコンを「新着記事はこちらから」というアイコンに替えて、閲覧者にクリックしてもらいやすいようにしました(もともとブログアイコンをクリックすると最新記事欄に行ける、そのままでは誰もクリックする人はいないと思うけど)。

ブログアイコンをこんな使い方する人ほとんどいないと思うコペルニクス的転回。

おかげで、同じデザインのブラウザのタブアイコンも「新着記事はこちらから」になってしまいましたが、スマホから検索・閲覧する人が多い昨今では、他の場所に多少の不思議さは出ても、スマホ画面を優先させましょう。

それにしても、スマホ画面の操作性・利便性にはもっと早くに気付くべきでした。

3年くらい前から、「大学生がパソコンを使えない」と言われているのですから、パソコンよりもスマートフォンを意識するのは当然でしたね…、ガラケーユーザーの盲点でした。

制作の方は何となく進んでいます。

戸框の材料は寸法を決めて↓

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横材の黄蘗(きはだ)には枘を作り(作るのは機械ですが)↓

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縦材の欅(けやき)には枘穴を穿ちます(こちらも穿つのは機械ですが)↓

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最後に重役出勤のように私が丹精込めて機械さまが取り残したゴミ取りをします。

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昼間は山に入って木を伐っているからこれくらいの作業がちょうど良いのかな。

それとその扉の鏡板の材料も出してきました↓

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左から桜・朴・メタセコイアです。

皆さん、新着記事見てくださいね。

どっひゃ~ん

今週一週間の前半は気温が平年並みくらいで推移し、後半は平年よりもだいぶ高くなりました。

最高気温の平均は12℃くらい、最低気温の平均は2℃といったところでしょうか。

また、雨の日も2,3日ありましたが、そのほかは快晴となる日もあり、曇りで太陽の光がさえぎられる日も少なくなってきたように感じます。

昨日は用事があったので植菌をせず、今週は今日だけの植菌となりました。

また、木曜日に山から最後の原木となる第三弾を降ろしてきました↓

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今回はちょっと太めが多いです。

また、発生中のキノコは気温が上がった日には生長や芽切りが見られましたが、平年並みの気温の日にはほとんど変化はありませんでした。

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あと、重大なことに気が付きました。

この発生場所はどうやら外気よりも気温が低いようです。

外は暖かくてもこの中は寒さを感じるときもあり、最低気温はほとんど同じかそれよりも高くても、最高気温はだいぶ低いようです。

う~ん、この場所は「温室」的な活用はできないのかなぁ~…。

それと冬季養生中のシートの下は「どっひゃ~ん」な様子でした。

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先週・今週の気温の上昇のためか、シイタケ菌の活動が活発になり、白く雪が積もったようになっていました。

また、シイタケも発生し、大きく生長しており、腐っているものもありました。

・・・あ~あ…。

まあ、榾木がダメになったわけではないのでしょうが、管理の面から大きな失敗です。

もちろん、今日中にシートを取って、トタンを被せました。

・・・とりあえず、失敗から学びましょう。

このシートの下の「失敗発生」では、黒はあまり出ていませんでした。

また、白もあまり出ていませんでしたし、水色もあまり出ていませんでした。

ライトグリーンはまあまあ出ていましたが、濃い青が多く発生していたように感じます。

シートの中がほとんど同じ条件だったとすると、気温や湿度の「感度」の違いが現れているように感じます。

また、今年の冬は暖冬で、降水量は少なかったものの、西日本の日本海側のシイタケの林内自然発生の「春子」は全体的に小さいものが多いと伝え聴きました。

気温が高かったために、降水量は少なくとも、それが雪にならずに雨になってしまうと湿気に繋がりますのでかえって「乾燥」せず、また、地表面もぬかるみがちだったのでしょう。

冬の間に「だらだら発生」していたところもあったようですし、榾木中の水分過多になっていたと推測されます。

これが太平洋側のように「晴れた日が多かった」ならば、地表も乾いて林内養生も難なく、むしろよく過ごせたかもしれません。

また、暖冬だったために害虫の発生も気になるところです。

凍結機会も少なかったため、越冬しやすかったのではないかと思われます。

いずれにしろ、環境を観察して生産に活かしていかなければなりません。

ようやく制作らしい制作

今週一週間は山に入ることが多く、ようやくの事、シイタケ用の原木を出し終わりました。

でも、またこの次の機会に記事にしますが、あまりに太い丸太は榾木用には出せないので、薪用に山から出すことにしました。

週後半はその玉切りをしに山に入っていました。

肝心の制作はというと↓

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取っ手の磨きがようやくの事、終わりました。

とても地味な作業で辛かった…。

これで、暖かい日を選んで、柱や方立の部材と併せてオスモオイルで塗装をしたいと思います。

心機一転、開き戸の部材をとります。

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久しぶりに木材小屋から板を引っ張り出してきて、チェーンソーで玉切りして、バンドで割り続けて・・・

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だんだんと戸框(とがまち:戸の枠のこと)に近づいてきました。

・・・なんだか、久しぶりに制作らしい制作をした気がする。

余談ですが、製材の木っ端をすべて薪用に割り終わり、積み上げることができました。

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これで、後片付けを含めて、今季の製材による仕入れが終わりました。

だいぶ形になってきました

木曜日に山に入ってシイタケ原木の玉切りをしていたら、その日は天気が悪くて、雪や霰(あられ)が降ってきました。

特に霰は直径8㎜くらいと大きなもので、ヘルメットに当たってカチカチいって、耳に当たるとちょっと痛かった・・・。

春の訪れの前には天気が荒れるものですね。

取っ手はだいぶ完成形に近づいてきました↓

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機械で面取りをしたのですが、ものが小さいだけに、加工はだいぶスリリング。

なるべく安全に配慮しながら、工夫しながらの加工になりました(操作などでもっと改善するところはいろいろありそうですが)。

そして、ネジ隠し同様、こちらも細かい手作業に入りました↓

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磨きばかり残っている・・・。

引出しも内側のサンダー掛けをして組み立てを始めました。

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そういえば、動力の機械を最近ほとんど使っていません…。

それらの使われていない定盤を見るととても寂しそう。

寒暖差の大きい一週間

今週一週間は寒暖差が大きく、まさに三寒四温でした。

平均すると最高気温は平年並みで11℃くらい、最低気温は平年よりも少し高くて2℃といったところでしょうか。

今年の桜はだいぶ早そうで、あと2週間もすると当地でも開花の話がちらほら聞こえそうですが、まだまだ植菌の真っ最中です↓

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この赤い印は今年初めてやってみる品種で、「高温」品種です。

容器2本分のオガ菌を植菌しました。

夏場の発生・生育がどのようになるのか楽しみです。

高温品種に関しては他のメーカーの菌種でもしてみます。

気温が低かったので、先週同様、ほとんど変化のない19黄色↓

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騒がしい話題が多い今日この頃、早くきのこの顔を見て心を落ち着けたいものです。