山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

だんだんと冬らしい天気になってきました

昨日までとても暖かかったですが、だんだんと冬らしい天気になってきました。

今日は市でしたが、雨が降ったり、晴れ間がのぞいたりする日本海側特有の天候です。

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今冬はここ3年程の同時期と比べて雑木の出品量が多い(といっても地元の小さな市なのでたかが知れていますが)ので、見ていてとても楽しいです。

今日は楢(なら)を買いました。でもコナラだけどね。

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上の2本と下の1本で合わせて3本です。

 

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シイタケのことで頭がいっぱいなので思わず植菌しそうですが、用材として使いたいと思います。

木工で楢といえばもちろんミズナラですが、ここ最近の道・露産規格材の高騰はとてもではないけどついていけません。 

コナラは「難がある」とされていますが、白太が薄くて目が細かいのを選んで買いました。

ただ1尺3寸ほどの小径材で虫もご在住なので、どこまでとれるのかなぁ・・・。

虫に関しては「楢枯れ」の元凶ですが、これは本州の楢ではどうしようもないようです。

樹勢が安定する20年生以降の立木に関しては、少なくとも私が見る限りで、虫が入っていないものの方が少ない状況です。

楢は昭和・平成に「流行った」材料となるかもしれません。

もう一つ朴を買いました↓

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このあたりの産では赤身の色は濃いものの白太が厚い丸太が多いのですが、この丸太は小径材ではありますが、赤身が張っています。

製材時に少しハゼりそうですが、まあ歩留まりは良いでしょう。

家に戻ってからは山に入って木を伐り、夕方は作業場で椅子を組み立てました。

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クランプやハタガネの関係で1脚ずつしか接着できず、効率がとってもDownです。

筋肉痛で

日曜日に山に入ったおかげで、筋肉痛が「半端ない」状態です。

でも、それごときで制作を休むのは「ぼーっと生きてるんじゃねぇ」とお叱りを受けそうです。

体は痛くとも作品をつくっていきましょう。「そだねー」。

座面の框の接着が出来たので、椅子を組みたいところですが、蟻桟の埋木を先にすることにしました。

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埋木の目地払いがこの方がしやすいのです。

「いろどりいす」がまたもやひと休みなので、スツールの方の制作を進めます。

寸法取りがすべて決まったので、仕口の加工です。

その前に墨付けですが、日曜日に制作を休んだので、さっそく罫書を間違えた…。

一日木に触れないと感覚が鈍るのは、私がまだまだ「徒弟」だからかな。

・・・え~っと、枘穴をあけます。

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曲線がないシンプルな作業が続きますが、枘・枘穴が多いので、どしどし仕口の加工をしていきます。

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↑これは「地獄」ではなくて単に胴付の途中だからですが、だいぶ機械仕事が続きます。

ところで、昨日・今日はこの時期としてはとても気温が高くなりました。

機械類が結露するので、とってもとっても困ります。

 

本格的に取り組みます

原木シイタケが生長する様子はとてもかわいいです。

また、原木で作ったシイタケはとても味が濃く、おいしいです。

今年からやっているそんなシイタケ作りがあまりにも面白いので、来年から本格的に取り組みたいと思います。

ということで、まずは榾木(ほだぎ)づくり。

近所の人に相談して、里山に入らせてもらうことにしました。

このあたりの山は高さはありませんが、岩山でそれなりの傾斜があります。

国道や町道に近かったり、電線があるところは木を倒せません。

また、出しやすいところはアベマキ(バク)が多く、クヌギやコナラは少し登らなければいけません。

今年菌打ちした榾木はそんなことがわからなかったので、アベマキだらけでしたが…。

山へは原木を出すときのことを考えて、道を作りつつ(私しゃ山仕事は全くの素人だけど)進みます。

また、出すときには放り投げるので、投げても国道に飛び出さないように考えます。

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頼りにするのはけもの道、ただ彼らの普請は高さ制限があるので、拡張していきます。

60,70mくらい進んだでしょうか。ようやく、目的のところにつ着きました。

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もちろん雑木林なので、いろいろな木々が生えています。

今回は伐り倒すだけで、枯らして3月に出します。

目的の立木を伐るのに、架からないようにその手前の小径木を伐るそのために、その手前の灌木を伐る・・・、そんなことを考えて伐っていきます。

・・・

なかなか目的の方向に倒れません。

・・・

なかなか進まない作業に焦りますが、でも、安全第一です。

立木の20㎝は振って当たったら、痛いでは済まされません。

でも、どうしても他の木に架かってしまいます。

今回はあんまり無理をせずに、大雪で地面に着陸してくれることを期待します。

また、手首ほどの小径木だからといって油断するとチェーンソーを噛みます。

ずぶずぶの素人には難しい作業です。

今日は道を作るのに2時間半くらい、伐り倒す作業に2時間半くらいやっていました。

・・・夕方↓

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チェーンが外れたので、今日はここまでにしました。

続きは今週中に行う予定…。

燃料がなくなったり、チェーンが外れたりしたならば、いちいち「下山」しなければいけません。

登り降りの手間が相当にかかるので、今から搬出が思いやられます。

早速接着していきます

最近は暖かくて、冬の中では塗装・接着日和です。

来週後半から寒くなるようなので、それまでに接着の目途をつけておきたいところです。

ということで、出来るところから接着を始めていきます。

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座面の蟻桟の框はすべて組んでしまうと固定がしづらいので、事前に接着します。

この時、座面も嵌めておかないとえらいことになります。

接着剤の硬化に時間がかかるので、次の接着は明後日かな・・・。

スツールは直線が基調となるので、材料の寸法取りもいっぺんにしていきます。

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曲線・曲面などがないと大きな機械の仕事がほとんどです。

写真には写っていませんが、棚板も厚み・幅が決まってあとは長さだけになりました。

寒くなるとやりにくい

今日の初めの仕事は、昨日やり残しておいた最後の仮組み↓

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問題なく組みあがったので、オスモを塗っていきます。

寒くなると、接着や塗装はとてもやりにくくなります。

特に15℃を下回ると、種類によっては急激に本来の能力を発揮できなくなるので、気をつけなければいけません。

また、部材の温度が上がっていないとこれはこれでトラブルの元なので、塗装の前には十分に温めておく必要があります。

今回は、暖房が長時間入れやすくて場所が取れるいつもの作業場で塗装をすることにしました。

・・・ペタペタ、フキフキ・・・

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さらに、・・・ペタペタ、フキフキ・・・

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薪ストーブをがんがん焚いて、作業場の中は厚着では汗が出るほどの室温で行っています。

一方で、次に作るものの材料の荒取りをしていきます。

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朴(ほお)、榛(はんのき)、黄蘗(きはだ)、欅(けやき)、楢(なら)を用意しました。

今回の材料は荒取り後の段階で、0.3立米を超えるくらいになりました。

元気になった

三連休中は調子がすぐれず、ひどい目に遭いましたが、ようやく昨日で本調子に戻りました。

「調子の悪いおっさん」は「普通のおっさん」に戻りました。

元気になって思う健康で制作のできる何事にも代えられないありがたさ。

 

ということで、「いろどりいす」の制作をさっさと終わらせましょう。

座面の矧ぎ合せはもう十分乾いたので、蟻溝を突きます。

・・・

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だんだんと様になってきました。

引き続いて、脚が抜けるところの加工と面取りです。

・・・

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さっきからハンディールーターが超過勤務です。

ここからはミニサンダー、仕上げの磨きをしていきます。

・・・ブウィー―――ン・・・

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これで、木地の制作はおしまい、・・・なはず、一つ仮組して確認したらオスモで塗装です。

次の「いろどりスツール」の制作は木取り。

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これは楢(なら)を割ったもので、脚に使います。

たくさんあるように見えるけど、4分の1なので12脚分です。

ようやく体の調子が戻ってきた

三連休はまずまずの天候に恵まれ、特に紅葉深まる雅な京都市内は大混雑だったようです。

連休前からおなかの調子が悪かった私は、三連休中も体調がすぐれませんでした。

そのため、トイレの中から三連休を誠心誠意呪っていました。

それでも、今日はだいぶマシになり、日中はムラ仕事に出ることができました。

制作は少しずつ進めていましたが、あまりはかばかしい進展は見られません。

つまり、とってもスローリィーにサンダー掛けをしていたのです↓

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今日の夕方でようやく座面以外のすべての部材のサンダーがけが終わりました。

一方で、その次に作ることにしたスツールのほんの一部の木取りをしました。

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正確な図面はこれからですが、直線を基調とした4本脚のスツールです。

今作っている椅子が倣い加工など(そんなに複雑じゃなかったけど)があったので、シンプルなものを数を意識して作りたい・・・かまぼこ、・・・じゃなかった、きぶん(気分)。