山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

杉の箱

鑿痕角小盆の朱漆の拭き漆をします。

・・・ペタペタペタ・・・

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なんだか、ウニの箱にイクラが入っているみたいですね。

・・・フキフキフキ・・・

拭くとこんな感じになりました↓

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朱は赤口でしたが、黄口の方がよかったかな。

まあ、日が経つと、もう少し発色がよくなるでしょう。

次は杉の小箱を作ってみます。

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先日、桐箱を作りましたが、「化粧箱」は桐で作るのは当然として、「箱」自体を楽しむのは杉の方が良いような気がしていました。

もちろん、すばらしい桐材を使った桐箱はそれだけで装飾性も抜きん出ていると思いますが、今回はあくまで「数モノ」の「商品」を考えています。

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いろいろな大きさを作ってみて、比較しながら作ってみましょう。

久しぶりの漆の記事です

今日の午前中は「川刈り」でした。

炎天下の中、草刈機を持ったまま河原で干からびそうでした。

果たして、あと十年くらい経って若いもんがいなくなったら、このムラの景観は維持できるのでしょうか。

 

長いお昼休み後、久しぶりに漆の作業をしました。

・・・ペタペタペタ・・・

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・・・フキフキフキ・・・

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スツールと鑿痕角小盆の拭き漆です。

・・・ペタペタペタ、フキフキフキ・・・

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漆部屋ではストーブをつけなくとも、手を動かす人間は暑さで塩をふりかけたナメクジのようになってしまいます。

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これでどちらも半分くらい、もう半分は拭き漆ではなくて木地の色がわかる仕上げにします。

鑿痕角小盆のいくつかは「朱」色にしようと思いましたが、今日は拭き漆をするところまでいきませんでした。

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明日、朝からできるようにとりあえず漆と朱を混ぜるところまでしておきました。

こちらもペーパーがけ

昨日のスツールのサンドペーパーがけに続いて、鑿痕角小盆も磨きます。

まずは高台の底から、ここは唯一の平面なのでサンダーで・・・ブウィーーーン・・・

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ここからは違いがほとんど感じられないけど、地味にペーパーを当てていきます。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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毛羽立ちを取り、鑿痕を潰さない程度にかる~く当てます。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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私は「美術品」を作りたいわけじゃないんだよね(まあ、日用品としてよく売れるわけでもないけど…)。

使うにあたって毛羽立ちやささくれがあったら困りますから。

・・・シャカシャカシャカ・・・

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そして、ようやく木地仕事が完成しました。

最近はまかせっきりです

最近、家庭菜園の記事が書けていないのは、お世話を妻にまかせっきりにして、私自身が畑に行っていないためです。

家の隣にあるんだけどね。

なんだか足が遠のいていたんですよ・・・。

食卓には勝手(妻に失礼)に夏野菜があがってくるし。

・・・ということで、久しぶりに家庭菜園をしっかりと見に行きました。

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おっと、オクラには支柱が立っていました。

うちの野菜は生長がいつも遅いのですが、このオクラは極めて遅い…。 

ツルムラサキもいます。

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雑草がきれいに除去されて、ツルムラサキと判別できる・・・。

次は支柱を立てておいてね、・・・立てておいてください。

遅く植えたキュウリも生長を始めました。

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 立てぇ~、立つんだキュウリぃ~。支柱をしっかりとのぼっていってください。

 サツマイモも生長が悪いようです。

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前回、草引きをした時に、サツマイモは生長が早いからもう雑草の心配はしなくていいだろうと思っていたのですが、やっぱり草に負けそう・・・。

ここからは癒しの花特集。

一枚目はインゲンの花。

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葉に比べて、小さくかわいらしい白い花。

次は落花生。

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こちらは黄色くて元気が良さそうな花。

実はこちらも花↓

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はい、イチジクです。

うちの白イチジクはこの時期に少しと9月下旬に本格的に実(花)を付けます。

これが今年の初物です。

今度は粉だらけ

とんでもなく暑くなって、作業場にいるだけで辛い時期となりましたが、製造業はそんなものですね。

角小盆の鑿痕付けはついに高台までいきました。

・・・トントントン・・・

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機械化された時代ではフラットな面よりも「手作り感」の方がたいへんです。まあ、モノによりけりでしょうが・・・。

面取りもサンドペーパだけでとるとなんだか丸くなりすぎるかなと思い、小刀で「ザクザク」取ってみます。

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そういえば、小刀は木工の基本ですね。

あんまり使うことはないですが、たまにはいいものです。

・・・

そしてようやく、鑿痕角小盆の「刃物しごと」が終わりました。

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思ったよりも(とっても)時間がかかってしまった…。

こんな私は、今話題の「自己裁量型の勤務時間」になったら帰れる人間でしょうか。

・・・まあ、いいや。

一方で、スツールはサンダーがけ。

・・・ブウィーーーーン・・・

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体毛がどんどん粉で白くなっていきます。

柱も、・・・ブウィ――ーーン・・・

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そして、サンダーではできないところは手で磨きます(これは面取り部ね↓)。

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・・・シャカシャカシャカ・・・

昨日今日で、ここまででした。

やっぱりあんまり進んだ感じがしませんね…、う~ん…。

・・・コンコンコン・・・

当地では滅多にないのですが、今日は熱風を感じました。

とんでもなく暑く、そのために辛い一日でした。

・・・鑿痕小角盆を進めます。・・・コンコンコン・・・

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接写過ぎて、なんだかよくわからない写真ですが、側(がわ)の長手(ながて)、つまり木端(こば)に鑿痕をつけています。

まだ、木端は加工しやすいです。

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↑だんだんと雰囲気が出てきました。

今度は妻手(つまて)、すなわち木口(こぐち)に鑿痕をつけます。

・・・コンコンコン・・・

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朴は「いい感じ」で鑿が入ります。

問題は欅、・・・コンコンコン・・・

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・・・こりゃ、硬い。手が痛い…。

できたものを積んだら「タワー」になりました↓

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おっ、なんだか新しい境地が開けそうです。

これから塗装をすると、なおのことこの「タワー」は良くなるのではないでしょうか。

ごくごく基本的で真面目な話

木工を習い始めのころ受けたある先輩からのお話・・・

「ものを作る上で、もっとも基本的なこと。例えば、子供用の積み木を作るとき、1辺3cm以下のものは作ってはいけないと考える、これはごく自然なこと。もし、仮にそのようなことも自ずとわからないのであれば、ものを作るのはやめるべきだ。取り返しのつかないことになるかもしれないし、もともとそんな配慮もできない人間であれば、それ以前に機械で大きな怪我をするだろうよ。このことは飲食店が食中毒に常に気を配るのと同じことで、デザインがどうだとか、技術がどうだとかという前の、ものを作る上では『前提』。」

私はいつもこの言葉につきあたる。

 

私の経験と推察ではわからない不都合が実際に作ってみてわかったスツール。

それも作り直して、再び仮組みをしました。

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座面の高さと接地点の位置

「とっても低いスツール」の最大値

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「とっても低いスツール」の最小値

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「とっても低いスツール」はその対象から最大値は「プラス」になることが当然で、最小値もなるべく「プラス」もしくは「0」に近づくのが好ましい。そのため、この高さだけ座面の形がシャープになった…(要検討含む)。

「低いスツール」の最大値

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「低いスツール」の最小値

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「低いスツール」はある程度不安定な座り方をしても大丈夫なように接地位置を考える。

「高いスツール」の最大値

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「高いスツール」の最小値

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「高いスツール」になれば、「座わり方」を過度に意識するよりも「足を引っ掛ける」ことも考え、かつ視覚的にもすっきりしたものになるように。

「とっても高いスツール」の最大値

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「とっても高いスツール」の最小値

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「とっても高いスツール」は使用者が狭まってくるので、意匠をある程度重視。

もちろん、脚の転がしの角度に関しては適宜適切なものを考える。

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また、座面は上面の面取りを大きくすることで、視覚的な使用者の誘導等を意識した。

なお、椅子に関しては5年ほど前の「ニ〇リの椅子訴訟」も思い起こされる。