山乃井木工房:岩井雄介のいま何作ってましたっけ

京都丹波(京丹波町)の山村で木工をするあるつくり手の備忘録

ごくごく基本的で真面目な話

木工を習い始めのころ受けたある先輩からのお話・・・

「ものを作る上で、もっとも基本的なこと。例えば、子供用の積み木を作るとき、1辺3cm以下のものは作ってはいけないと考える、これはごく自然なこと。もし、仮にそのようなことも自ずとわからないのであれば、ものを作るのはやめるべきだ。取り返しのつかないことになるかもしれないし、もともとそんな配慮もできない人間であれば、それ以前に機械で大きな怪我をするだろうよ。このことは飲食店が食中毒に常に気を配るのと同じことで、デザインがどうだとか、技術がどうだとかという前の、ものを作る上では『前提』。」

私はいつもこの言葉につきあたる。

 

私の経験と推察ではわからない不都合が実際に作ってみてわかったスツール。

それも作り直して、再び仮組みをしました。

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座面の高さと接地点の位置

「とっても低いスツール」の最大値

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「とっても低いスツール」の最小値

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「とっても低いスツール」はその対象から最大値は「プラス」になることが当然で、最小値もなるべく「プラス」もしくは「0」に近づくのが好ましい。そのため、この高さだけ座面の形がシャープになった…(要検討含む)。

「低いスツール」の最大値

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「低いスツール」の最小値

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「低いスツール」はある程度不安定な座り方をしても大丈夫なように接地位置を考える。

「高いスツール」の最大値

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「高いスツール」の最小値

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「高いスツール」になれば、「座わり方」を過度に意識するよりも「足を引っ掛ける」ことも考え、かつ視覚的にもすっきりしたものになるように。

「とっても高いスツール」の最大値

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「とっても高いスツール」の最小値

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「とっても高いスツール」は使用者が狭まってくるので、意匠をある程度重視。

もちろん、脚の転がしの角度に関しては適宜適切なものを考える。

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また、座面は上面の面取りを大きくすることで、視覚的な使用者の誘導等を意識した。

なお、椅子に関しては5年ほど前の「ニ〇リの椅子訴訟」も思い起こされる。

合流しました

お味噌入れたらしょっぱくなりすぎて、水を加えたら量が2倍になってしまった味噌汁の失敗のように、2倍の数になってしまったスツールも、後発組があともう少しで追いつきます。

枘(ほぞ)穴をきれいにして、・・・サクサク、コンコン・・・

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そして、地獄の傾斜をほります。・・・コンコンコン・・・

その後、意匠を兼ねた面取りをして・・・

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半数は座面に鑿痕(のみあと)を入れます。・・・コンコンコン・・・

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そして、ようやく後発組が先発に追いつきました。

ここからは一緒に仕上げ鉋(かんな)。

・・・シャーッ、シャーッ・・・

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う~ん、本数がとんでもなく多い…。

機械仕事が続きます。

機械仕事が続きます。というか、「数もの」が主なので、続いて当然ですが。

それでも、「爪あと」じゃなかった、鑿痕は手で刻みます。

・・・コンコンコン・・・

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そして、高台部を機械で荒取り、・・・ウィーーン・・・

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浮気はこれぐらいにして、スツールに戻ります。

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枘(ほぞ)が出来上がりました。

面取りは機械で丸面を取ります、・・・ウィーーーン・・・

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いわゆる「ルーター仕事」(うちはルーターマシーンはないけどね)。

枘穴も穿ちます。

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とっても低いスツールは穴の位置が極端に外に寄っています(理由はまた今度)。

写真には写っていませんが、今日は何回も木の粉だらけになりました。

ちなみに、桐箱は完成しました。

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シンプル構造ですが、もちろん木釘は打っていますよ。

今日はとんでもなく蒸し暑い日でした

歩くだけで、汗が吹き出るような蒸し暑い日でした。

ただ、お昼を過ぎると一転、土砂降りになりました。

台風と前線によって、めまぐるしく天気が変わります。

 

スツールの脚を進めます。

機械で、枘(ほぞ)を作りました。

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その後、鑿(のみ)でゴミを取ります。

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・・・コンコンコン・・・

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さてさて、ここから装飾的加工です。

まあ、今回は手間のかかる加工はしませんけどね。

 

一方、桐箱も作っています、1個だけだけど。

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なお、蓋は二方桟です(もちろん、紐は木綿の「袋」にしますが)。

まあ、「はな垂れ『もっこうか』」の私は桐箱も「かけだし」です。

いつの日か「立派な桐箱」を作れる日が来るでしょうか。

・・・いや、近い将来作れるようになりましょう。

梅雨真っ只中です

梅雨真っ只中で、雑草は伸びたい放題。

家庭菜園は土がぐずぐずですが、今日こそはお手入れします。

まずは、青虫の養殖場と化してしまった葉っぱ類を畑に鋤きこみます。

・・・ガシャガシャガシャ・・・

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青虫ともども土に返りました(たぶん)。

跡地にはもう入居者が決まっています。

インゲンマメの種を植えました。

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手前は1ヶ月前に植えた分ですが、時期をずらすことで秋口まで収穫したいと思います。

そして、キュウリ。

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こちらもお盆過ぎに食べる分と思い、苗を植えました。

雑草だらけのサツマイモ。

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雑草を抜いてきれいすっきりにします。

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たぶんサツマイモは生長が旺盛だから、もう雑草取りはしなくていいでしょう。

同じく、落花生も雑草取りをしました。

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すっきりして、気持ちいい。雨で土が軟らかくなっていたので、雑草も引きやすかったです。

ズッキーニってずいぶん大きくなるんだね。

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余裕を持って植えたつもりが、だいぶ窮屈そうです。

カボチャは大きくなれなれ。

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どのみち、梅雨時は上手く実が付かないので、今のうちに株を大きくしておいてね。

屋根のないトマトも生長は旺盛です。

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バジルはほとんど芽が出ませんでした。

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なんでだろぉ~。

今日は機械をよく使いました

ムラ用があったり、消防があったり、いろいろなことがあって、なかなか思うように制作が進んでいません。

そして、投稿もあまりできていませんでした。

・・・が、今日は大きく進みました。これまでのものも踏まえて、久しぶりに投稿します。

まずは、鑿痕小盆。

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内側の隅と高台内のゴミ取りが終わりました。

スツールの材料はシージングをしていましたが、今日から再開です。

座面は厚みを整えて、形をとりました。

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また、柱材も寸法を出しました。

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今日は機械ばかりを使っていたので、なんだか、耳に機械の騒音がいつまでも残っている・・・。

道の駅「さらびき」に作品を展示しました

うちの近くの道の駅「さらびき」に、このたび作品(といっても小物商品ですが)を展示させていただきました。

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新規のお客様獲得に尽力いたします、はい。

この道の駅では他にも、旧瑞穂町内にお住まいの陶芸作家さん3、4人の作品も展示されております。

ちなみに道の駅「さらびき」の外観はこんな感じ↓

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ちょっと谷にあるから、やや日当たりが悪いです(うちが言えたことではありませんが)。

そして、ここ数年、毎年のように工事をしています。

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京丹波町内では京都縦貫道の完成によって、お客さんが少なくなってしまった道の駅もあるようですが、国道173号線沿いの「さらびき」はむしろ来客者が増えているそうな。

173号は大阪から日本海に抜けるのにとても便利です。

そして、特に秋はとても車が多くなります。一方で、冬はほとんど人がいません。

「さらびき」の展示もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。